公安省の幹部は12日、日本政府の円借款事業「ホーチミン市東西大通り・水環境改善プロジェクト」のコンサルタント契約受注に絡んだ「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)」の汚職事件で賄賂を受け取ったとされる同プロジェクト管理委員会のフイン・ゴック・シー元委員長(元ホーチミン市交通運輸局副局長)を収賄罪で起訴するよう最高人民検察院に求めたことを明らかにした。シー元委員長はPCI側から26万2000ドル(約2260万円)を受け取ったとされる。
東京地検特捜部は2008年8月、PCI前社長ら4人がシー元委員長に多額の賄賂を提供したとしてこの4人を逮捕するとともに、ベトナム警察当局に捜査協力を依頼した。公安省はこれを受けて同年12月に贈収賄事件として起訴することを決めた。しかし手続きや大量の捜査資料の翻訳などに時間がかかり、ようやく起訴にこぎつけた形だ。
この事件とは別に公安省は2009年2月、シー元委員長とレー・クア元副委員長をPCIの事務所賃貸料を着服した職権乱用容疑で逮捕した。この事件でシー被告は今年3月の控訴審で、禁固6年の判決を受けている。