ホーチミン市最高人民裁判所(控訴審)は17日、日本政府の円借款事業「ホーチミン市東西大通り・水環境改善プロジェクト」の管理委員会で起きた事務所賃貸料着服事件で職権乱用罪に問われている同管理委員会の元委員長(元ホーチミン市交通運輸局副局長)フイン・ゴック・シー被告(57歳)と同管理委員会の元副委員長レー・クア被告(71歳)に対し、一審判決より重い実刑判決を言い渡した。シー被告は一審判決の禁固3年が禁固6年に、クア被告は禁固2年が禁固5年に加重された。
シー被告らは、同管理委員会の事務所として借り受けた建物を日本の建設コンサルタント大手「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」にまた貸しし、賃貸料の差額約8万米ドル(約720万円)を同僚らと分配するなどした。一審判決は職権乱用罪を認定したが、2被告のこれまでの社会貢献や捜査への協力などを酌量して、検察側の求刑(禁固5~6年)より軽い判決を出した。
しかし控訴審では、一審判決は被告らの行為が引き起こした社会に対する重大な悪影響を適切に評価していないと批判、被告らの減刑・執行猶予の求めには根拠がないとして退けるとともに、ホーチミン市人民検察院の量刑加重の主張を認める判決を出した。