旧正月(テト)が近付き、ホーチミン市では豚肉の需要が増加している。しかし獣医当局の検疫を受けていない豚肉も市場に多く出回っているという。5日付グオイラオドン紙電子版が報じた。
ホーチミン市郊外から市中心部に向かう幹線道路では、早朝から豚の死体を2~4匹も積んだバイクを多く見かける。これらの豚は、主にテトの加工食品用として市内の食品加工施設に供給される。近隣のドンナイ省やビンズオン省の違法食肉処理施設で解体された豚肉も、トラックやバスに積まれて市内に運ばれる。
ホーチミン市ビンチャイン郡の食品安全衛生検査チームによると、近隣地域から持ち込まれる豚肉には解体前に死んだ豚や病気の豚の肉が含まれているという。同郡内だけでも、こうした食用に適さない豚肉数千tが輸送中のトラックや食品加工施設で発見されている。
さらに違法な食肉処理施設の数も急増している。ゴーバップ区だけでも数十か所に上り、1か所で1日当たり数十匹が解体処理されている。違法施設での解体は衛生面での配慮はまったくなく、検疫もされていない。ゴーバップ区のほか、ビンタン区、ビンチャイン郡、ホクモン郡にも数十か所の違法施設があり、市全域では150か所近くあるとされる。
こうした違法施設の摘発は、各区・郡人民委員会と市場管理支局が行うことになっているが、違法施設側でも警戒を強めているため、発見が難しいという。