ハノイ市では子供が赤ん坊を抱えてガムを売り歩く姿がよく見られる。飲食店の多い通りでは昼夜を問わず現れる。しかし、子供の背後に大人がいて働かせている場合も多いようだ。9日付VNエクスプレスが報じた。
6月初めのある夜のグエンフォンサック通りには、14~15歳の少年が1歳ほどの赤ん坊を右手で抱え、左手にガムの入ったプラスチック籠を持って売り歩く姿があった。少年が赤ん坊をあやしながら悲しそうな顔で「ガムを買って僕たち兄弟を助けてください」と言うのを見て哀れに思い、1つのガムに2万ドン(約80円)や5万ドン(約200円)の紙幣を渡しお釣りを受け取らない人が多い。
少年は通りにある店を一通り回ると暗がりに入って集めた金額を確かめた後、携帯電話を取り出しどこかに電話をかけた。するとほどなくして中年女性がバイクで現れ、少年と赤ん坊を連れ去った。これはほんの一例で、ガムを売り歩く子供を大人が送り迎えする光景はあちこちで見られる。
政令では、子供を無理に働かせる行為はたとえ両親だとしても罰則を科すと規定しているが、一向になくならないのが現状だ。