東北部クアンニン省人民委員会は、省内のクマ農場に対し、「熊胆」目当ての観光客を迎えるツアーの主催を禁止した。「熊胆」とは、クマ由来の動物性生薬で、滋養強壮剤として酒などに混ぜて摂取すると肝臓病などに効果があるとされている。
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同省ハロン市で2007年に行われた調査によると、市内だけで6か所のクマ農場があり、281頭が「熊胆」の採取目的で飼育され、このうち80頭は違法に飼育されていたという。その後、当局が取り締まりを厳しくしたため、市内のクマ農場の数は2か所まで減っているが、省内には現在も隠れてクマを飼育している業者が多数存在する。
クマ農場ツアーに参加するのは、「熊胆」を購入に訪れる韓国人観光客が中心となっている。野生動物の保護を訴える自然教育センター(ENV)は、クアンニン省の観光イメージを向上するためにも、「熊胆」採取目的のクマ飼育を全面的に禁止する必要があるとし、同省人民委員会に早期解決を求めている。