現在20歳の女性ミー・キムさんは南中部沿岸地方フーイエン省で、カイルオン(ベトナム南部の古典芸能)の芸能一家に生まれたが、小さい頃から夢中になったのは「火」だった。いつもマッチ箱を持ち歩いて、いたずらするような女の子だった。
(C)Zing、ミー・キムさん |
10歳の時、劇団の人に「ファイヤーパフォーダンスを習いたいか?」と聞かれると、すぐに頷き毎年夏休みになると練習に通った。「最初はやけどが怖かったけれど、徐々に慣れました。一緒に数人学んでいましたが残ったのは私だけ。でも、これが職業になるとは思っていませんでした」
舞台に上がるようになったのは15歳の時。キムさんはホーチミン市や周辺の省で出演する機会が多いため、家族は東南部ビンズオン省に引っ越した。ただ、仕事は多くなく出演料も少なかった。安定して仕事が入るようになるまでに約3年かかった。
パフォーマンスの中で最も難しいのは火を口に含む動作で、熱さに耐えなければならない。この商売にやけどは付き物だが、「火飲み」に失敗したときは、1週間以上お粥と牛乳しか口にできなかったという。キムさんは30歳ごろまでこの仕事を続け、引退したら美容室を開こうと考えている。