ハノイ市で2日に開かれたベトナムビジネスフォーラム(VBF)で人事作業部会は、ベトナムの現行規定で製造業などに従事する労働者の年間残業時間の上限が200~300時間と定められていることについて、同規定が成長の足かせになっていると指摘し規定を見直す必要があるという意見を示した。
コリン・ブラックウェル部会長は、「ベトナムの残業時間の上限は世界平均以下で、周辺諸国をも大きく下回っている。また、収入を増やすためにできるだけ多く残業したいという労働者も大勢いる一方で、同規定は労働者の正当な要望を明らかに阻害している」とコメントした。実際、中国やタイでは残業時間が年間1872時間にも上るのに対して、ベトナムではその約6分の1に当たる300時間に留まっている。
同部会が企業400社を対象に行った調査では、55%が「フレキシブルな体制で対応できている」、31%が「規定に従うことで生産性が低下している」、13%が「生産活動に支障をきたしている」と回答し、残業時間の上限規定が企業各社の生産活動に一定の影響を及ぼしていることが明らかになった。
これらを踏まえて、ブラックウェル部会長は当局に対し、一般産業に従事する労働者の年間残業時間の上限を800時間に、特殊産業に従事する労働者の場合には1200時間に増やすよう要請している。