南中部高原地方ダクラク省ラク郡ヤンタオ村には、「父さんゾウの岩」と「母さんゾウの岩」と呼ばれる2つの岩山がある。少数民族ムノン族の人達の間で、神話として語り継がれている。
(C)Tien phong、母さんゾウの岩 |
岩山は村の人々に大切にされている。言い伝えによると、当初岩山は土のように柔らかかったが、突然固くなったという。また、岩山は何回も移動して現在の場所に落ち着いたという。
村の古老が話す神話はこんな内容だ。遠い昔、この村に裕福な家庭で育ったフホアとフタオという姉妹がいた。ある日の午後、姉妹が父さんゾウの岩に登って遊んでいると、突然岩山が固まり、姉のフホアの足が抜けなくなってしまった。父親が何とか引っ張り出そうと7昼夜も努力したが、美しい17歳の娘はとうとう岩山に飲み込まれてしまった。その夜村の娘達は、フホアがヤンタオ(岩神)と共に幸せに暮らしており、今後岩神が村の人々を助けてくれると告げる夢を見た・・・・・・。
ムノン族の間では、父さんゾウの岩は若い男女が永遠の愛を誓い、困難を乗り越えることができるよう祈る場所になっている。