商工省及び同省傘下企業の人事に関する規定違反があったとして共産党書記局の決定により処分を受けているブー・フイ・ホアン前商工相が、家族の見送りを理由にハノイ市ノイバイ国際空港の保安区域へ違法に立ち入ったことが大きな話題になっている。
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同省幹部の報告によると、ホアン氏は4日、同省官房の幹部に電話をし、北部空港当局に対して同氏に保安区域への立ち入り許可証を発行するよう求めることを依頼した。依頼を受けた幹部は商工省官房次官の承認のもと所定の手続きを済ませ、当局から許可証を取得した。
ホアン氏は翌5日、ベトナム航空総公社[HVN](Vietnam Airlines)の運航便に搭乗する家族を見送るためとして、同空港の国際ターミナルの保安区域に立ち入ったという。しかし、チャン・トゥアン・アイン商工相は、許可証の発行に関与した幹部2人が規定に違反したとして、調査の上で2人を処分することを明らかにした。
現行規定では、空港当局は公務執行者に対して保安区域への立ち入り許可証を発行することができるが、今回ホアン氏が許可証の発行を求めた「家族の見送り」は私事に当たるため、同氏に許可証を発行した北部空港当局も規定に違反したことになると見られている。
今回の出来事が問題となっている背景には、同氏が商工相を務めていた時期に同省傘下企業の複数の幹部が規定に違反し国に多額の被害をもたらした後、海外に逃亡したことがある。なお、国会常務委員会は2月、同氏について元商工相の資格を抹消している。