紅河デルタ地方バクニン省トゥアンタイン郡の幼稚園と小学校に通う子供200人以上がサナダムシに集団感染したことを受け、グエン・スアン・フック首相は関連機関に対して、原因究明に向け迅速な対応を求めた。
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首相の直接の指示のもと、保健省は特別調査委員会を発足。現場に足を運んで、安全衛生などに関する情報周知を図るほか、地元の医療施設の増設や医薬品調達について指導する。また、教育訓練省は各学校に対して、校内の食品安全衛生に関する規定の遵守を指導する方針。
さらに、公安省は今回の集団感染について捜査を行い、違反を発見した場合は厳格に処分する。これに関しては、同郡にあるタインクオン幼稚園がサナダムシに感染した豚肉を給食の食材として使用していたことが明らかとなっている。同園に食材を納品していたフオンタイン社(Huong Thanh)は、同郡の幼稚園・小学校21か所に豚肉を供給しており、複数の施設で被害が発生した。
これらの幼稚園・小学校に通う園児と小学生の数は約9500人に上り、この数日、ハノイ市中央熱帯病病院と中央マラリア寄生虫昆虫病院は、子供を連れて検査に訪れる人々で大変な混雑となっている。15日から17日までの3日間で1700件の検査を行った結果、全体の12%に当たる209件もの感染が確認されたという。
バクニン省保健局は、保護者の負担を軽減するため、地元でサンプルを採取して同2病院に送付の上で検査を依頼し、検査と治療にかかる費用も当局で負担すると発表した。しかし、多くの保護者は「地元当局は信頼できない」として引き続きハノイ市に殺到している。中央マラリア寄生虫昆虫病院では、19日午前1~2時にも雨の中で順番を待つ保護者の姿が見られ、4時30分時点では検査を待つ子供の数は200人に上っていた。