公安省は15日、公安省傘下諜報総局の元副局長グエン・ズイ・リン容疑者を逮捕したと明らかにした。
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リン容疑者は、「国家機密情報を意図的に漏えいした罪」や「公務執行にあたり職権を乱用した罪」などで禁固刑を受けた不動産業界の大富豪ファン・バン・アイン・ブー被告(男・46歳)から賄賂を受け取ったとされ、収賄容疑で捜査を受けている。
ブー被告は2009年から公安省の「諜報員」として起用され、「上佐(ベトナムで中佐と大佐の間にあたる階級)」に任命された。同被告が所持する複数の会社も公安省傘下の組織として扱われていた。
公安省上級幹部の支援を受け、ブー被告の会社は「諜報活動のため」としてホーチミン市とダナン市(南中部沿岸地方)の地方自治体、そして公安省の管理する複数の不動産を、時価を大きく下回る価格で取得し、国に多額の損失をもたらしたとされる。問題の資産は取得後に転売または営利目的の不動産開発に使用されていた。
これらの違反が2017年に発覚したことで、ブー被告が捜査線上にあがった。ブー被告は、捜査状況を得るべく、当時諜報総局副局長を務めていたリン容疑者に外貨とベトナムドンの現金を複数回にわたり渡していたとされる。
これについてブー被告は、リン容疑者に葉巻と霊芝(れいし※健康食品の一種)を贈っただけで、現金の贈与を否定した。一方のリン容疑者も現金を受け取ったことを否定している。