2021年12月23日に文化スポーツ観光省スポーツ総局傘下のスポーツ科学研究所で発表された、ダン・ホアン・アインさんの博士論文(教育学)「ソンラ市の公務員にバドミントンを普及させるための方法の考察」が物議を醸している。
(C) tuoitre |
同研究所によると、アインさんは2022年1月19日に、この論文のディフェンス(審査会)を通過し、教育訓練省の論文サイトでは5月5日午前時点でもなお、論文が全文掲載され、一定の研究成果があったなどと紹介されている。
しかしながらSNS上の学術系フォーラムでは、博士論文にふさわしいテーマではないなどと批判する声が多々出ており、学者の多くは、研究というものは、実態や課題を示したうえで、地域または社会全体に大きく作用するマクロ的、ミクロ的な解決策を示すべきものであるのに対し、この論文は西北部地方ソンラ省ソンラ市の公務員にバドミントンを普及させることについて論じているのみであり、対象があまりにも小さく、社会や学界への貢献もなく、学術的にも実際的にも要求に届かないテーマだとしている。
ホーチミン市師範大学教育学部のグエン・ドゥック・ザイン学部長は、「実際問題として公務員は、バドミントンに限らず、仕事が終われば水泳、サッカー、ジョギング…様々なスポーツができる。研究範囲が小さすぎる。研究対象も公務員であって学生ではなく教育学と何の関係もない」と指摘する。
さることながら注目すべきは、アインさんのこの論文だけでなく、2018年以降に全国で発表された各種教育施設における論文ではバドミントンをテーマにしたものが6本あり、そのどれもが教育学の論文であり、またこれと似たような手合いの博士論文が数十本もあるということだ。