余命6か月宣言の末期肺がん患者、20年近く経っても元気はつらつ

2022/12/01 06:36 JST配信

 ハノイ市に住むチャン・ティ・ルアさん(女性)は20年近く前の55歳の時、肋骨まで転移した末期の肺がんと診断され、医師から「余命6か月」の宣言を受けた。しかし、74歳になった今もぴんぴんしており、子供らの家事を手伝っている。

(C)vnexpress
(C)vnexpress

 がんが見つかった年、彼女は突然の呼吸困難に襲われ、検査のためにタインニャン病院(ハノイ市)に運ばれた。検査の結果、肺にアヒルの卵ほどの大きさの腫瘍があることが確認されたが、医師はそれを良性腫瘍と診断し、薬を処方しただけだった。

 数か月後、再検査を受けたところ、肺の腫瘍が大きくなっていたため、タインニャン病院は中央肺病院(ハノイ市)と協力して生体検査(細胞診)を行った。すると、ルアさんはステージ4の肺がんを患っていることが発覚。放射線と投薬による治療を受けたが、衰弱していく一方だった。

 ルアさんの家族はそれでも諦めず、ベトドク(越独)友好病院(ハノイ市)に手術を依頼。これに対し、医師は「腫瘍が肋骨に転移しており、あとは死を待つだけの状態だ。手術を受けなければ、6か月は家族と一緒に最後の時間を過ごすことができる」と言い、手術を勧めなかった。

 いつまでもふさぎ込んでいても仕方ないと思った彼女は退院後、楽観的思考を心掛けて幸運を祈り、体にいいとされる漢方薬やパパイヤ茶を積極的に摂取し、心配する家族を逆に励ます存在になろうと決意した。

 ルアさんは約4年間、漢方薬とパパイヤ茶を飲み続けた。腫瘍が消えることはなかったが、体調は発症前並みに回復したため、漢方薬とパパイヤ茶を飲むのをやめた。以降は薬や機能性食品を一切使用していないが、もう16年近く普通に生活している。

 ルアさんが、がんと診断された時に未婚だった子供2人は今、いずれも出世し、結婚してそれぞれの家庭を築いており、子供も設けている。「結婚など子供の人生の重要なイベントに立ち会いたいと思い、それが生きる気力となりました。病を克服するには楽観的な気持ちが大切です」と語るルアさん。

 そんな彼女は先日、可愛い孫たちに囲まれて74歳の誕生日を迎えた。なお、統計総局(GSO)によると、2021年時点のベトナム人の平均寿命は74歳となっている。

タイトルとURLをコピー
[VnExpress 05:00 27/11/2022 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 ベトナム共産党中央執行委員会は26日に臨時会議を開き、本人からの希望を受けて、ブオン・ディン・フエ...
 米アップル社(Apple)がサプライチェーンの多様化に注力している中、依然として中国が同社最大の生産拠...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 中国は、5月1日から約3か月間にわたり南シナ海での漁獲を禁止すると発表した。漁獲禁止が適用される範...
 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている...
 ハノイ市人民委員会は25日、2023~2025年の行政区再編計画を承認した。これにより、ホアンキエム区の合...
 国家証券委員会(SSC)は、情報公開規定に違反したとして、英語学校「エーパックス・リーダーズ(Apax Lea...
 双日株式会社(東京都千代田区)は、ベトナムで主流となっている家族経営を中心とした小規模小売店の受発...
 三菱重工業株式会社(東京都千代田区)は、ベトナム現地法人「ベトナム三菱重工業(MITSUBISHI HEAVY INDU...
 南北高速道路の東側路線建設工事の一部である南中部沿岸地方カインホア省カムラム~南中部沿岸地方ビン...
 科学技術省品質測定基準総局傘下の適合認証センター(Vietnam Certification Centre=QUACERT)は24日、...
 二輪車及び四輪車部品、産業機械部品などの製造・販売を手掛ける大同工業株式会社(石川県加賀市)は、同...
 ファム・ミン・チン首相は24日にハノイ市で開催された「半導体産業人材育成に関する会議」で、半導体人...
 南中部沿岸地方クアンナム省人民裁判所は25日、中国人率いる高利貸し・債権回収の取り立てルートの被告...
 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)はホーチミン市で23日、数字選択式宝く...
トップページに戻る