ベトナムの王朝時代に発行された皇帝からの冊封状(称号、任命書など)とみられる文書12点が、中国・上海のオークションハウスによって22日に競売にかけられることになっていた件で、オークションハウスはベトナムと上海の当局からの要請を受け、これらの競売を中止した。すでにウェブサイトの競売リストからも削除されている。
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これに先立つ17日、文化スポーツ観光省傘下の文化遺産局は、東北部地方フート省、北部紅河デルタ地方バクニン省、ハノイ市、北部紅河デルタ地方ハナム省、同ハイズオン省の当局から、競売に出された遺物は同5省・市の寺院などで保管中に盗まれたものであることが確認された旨の文書を受け取っていた。
冊封状は、2800~3500RMB(約5万4000~6万8000円)から競り上げる予定だった。
今回売り出される予定だった文書には、フート省タムノン郡ジナウ村(xa Di Nau, huyen Tam Nong)にある国家級歴史文化遺跡「クオックテー寺院(den Quoc Te)」から2021年に盗まれたものも含まれていた。
クオックテー寺院では2021年5月、何者かが侵入してバールで金庫を破壊し、40点もの冊封状を持ち去るという事件があった。警察は通報を受け捜査に乗り出したが、2年近くたった今も犯人は捕まっていない。