コロナ禍の特別便乗客、高額運賃の返金困難で泣き寝入り

2023/08/01 06:44 JST配信

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便認可を巡る汚職事件の裁判は7月28日に判決が下され、被告54人が有罪判決となった。被害克服のため被告らは、判決前に1730億VND(約10億3000万円)を国に納付しているが、乗客らが支払った高額な運賃が返金される可能性は低そうだ。

(C)vnexpress
(C)vnexpress

 この裁判で被告54人は、◇贈賄、◇収賄、◇贈収賄仲介、◇公務執行上の職権乱用、◇詐欺・資産横領の5つの罪に問われていた。

 ハノイ市人民裁判所の判決によると、被害克服のため納付された資金は国に没収されることになっている。高額な料金(運賃や宿泊費など)を支払って特別便で帰国した乗客への対応について、裁判所は今回の裁判で権利を保護する根拠がないと判断し、乗客が法律に基づいて企業側に抗議することを提案した。

 法曹関係者によると、特別便のサービス料金は民事的な合意によるもので、国際線の運賃上限に関する規定もないため、運賃上限の違反などを判断する根拠がない。乗客が権利を侵害されたと主張しても、民事的な合意があったため、返金の可能性は低いとみられる。

 この特別便は、コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が特別に手配したものだが、関係者らは複数の公的機関の幹部らと結託して不正利益を得ていた。2020年年初から2021年半ばにかけて1000便以上が手配され、62か国・地域から20万人以上のベトナム人が帰国した。

 特別便に搭乗するには、通常より高額なサービス料金を支払うほか、煩雑な手続きが必要だった。なお、贈賄の罪に問われた、観光関連会社の役員やフリーランサーなどだった被告らは、特別便に乗るため、合わせて2260億VND(約13億5000万円)の賄賂を渡した。

[VnExpress 00:42 29/07/2023 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件の...
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件で...
 ハノイ市人民裁判所で11日に始まった、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者な...
 ハノイ市人民裁判所で11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特...

新着ニュース一覧

 商工省と複数の省・市における太陽光発電事業を巡る違反事件で、ハノイ市人民裁判所は、ホアン・クオッ...
 国家主席府は4月29日、受刑者8055人と刑執行猶予中の1人の計8056人に対する国家主席の特赦の決定を発表...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が5月5日に開幕した。  今国会では、国家構造に関する201...
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角...
 ホーチミン市文化スポーツ局は、4月30日の南部解放記念日にサイゴン川沿いエリアで実施を計画していた...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)事業の一環で行われた軍事パレードを見物する...
 衣料の製造・販売を行う韓国のレシピグループ(Recipe Group)はこのほど、同社が展開するファッションブ...
 ルオン・クオン国家主席は4月28日、北中部地方ハティン省でラオスのトーンルン・シースリット国家主席 ...
 インボイスに関する政令第123号/2020/ND-CPの一部を改正・補足する政令第70号/2025/ND-CP(6月1日施行)...
 カナダの金融・保険サービス比較会社 「ハローセーフ(HelloSafe)」はこのほど、世界各国における株式市...
 ハノイ市人民評議会は4月29日、バイオテクノロジー分野に特化した「ハノイバイオハイテクパーク」の建...
 日本の経済産業省とベトナム商工省は4月28日、エネルギートランジションに係る二国間協力プロジェクト...
 東南部地方ビンズオン省のビンズオン新都市ワールドトレードセンター(WTC EXPO)で5月7日(水)から9日(金...
 イタリアのサンペレグリノ(Sanpellegrino)とアクアパンナ(Acqua Panna)が冠スポンサーを務める「アジア...
トップページに戻る