新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者など向けの特別便の認可を巡る汚職事件で、ハノイ市人民裁判所は28日、被告54人に有罪判決を下した。
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この裁判で被告54人は、◇贈賄、◇収賄、◇贈収賄仲介、◇公務執行上の職権乱用、◇詐欺・資産横領の5つの罪に問われていた。
この特別便は、コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が特別に手配したものだが、関係者らは複数の公的機関の幹部らと結託し、不正利益を得ていた。2020年年初から2021年半ばにかけて1000便以上が手配され、62か国・地域から20万人以上のベトナム人が帰国した。
特別便に搭乗するには、通常より高額な運賃を支払うほか、煩雑な手続きが必要だった。観光関連会社の役員やフリーランサーなどだった被告らは、特別便に乗るため、合わせて2260億VND(約13億3000万円)の賄賂を渡した。
同事件に関与した公務員の中で役職が最も高く、収賄罪に問われていた前外務次官のトー・アイン・ズン被告(男)は禁固16年の判決だった。
収賄額が426億VND(約2億5000万円)に上り、全被告中で最も収賄額が大きかった元保健次官付き書記官のファム・チュン・キエン被告(男)には終身刑の判決が下された。同被告は検察から死刑を求刑されていたが、判決前に家族が収賄額の全額を国に納付したことを考慮し、裁判所は同被告を終身刑とした。
収賄額2位の元公安省出入国管理局幹部ブー・アイン・トゥアン被告(男)、収賄額3位の元領事局長グエン・ティ・フオン・ラン被告(女)も、それぞれ終身刑の判決を受けた。このほか、詐欺・資産横領罪に問われていた公安省の元上級捜査官ホアン・バン・フン被告(男)も終身刑の判決を言い渡された。
なお、この他の被告には執行猶予付き禁固1年3か月~禁固18年の判決が下された。このうち、収賄罪に問われていたブー・ホン・ナム前駐日ベトナム特命全権大使(男)は禁固2年6か月の判決だった。