オンライン証券取引、電子署名法がネック

2005/06/21 06:07 ICT配信

VCB証券、唯一のオンライン取引を提供

 現在ベトナム全国に証券会社は13社あり、そのほとんどがウェブサイトで取引状況などの株式・証券速報を配信している。しかし、そのウェブサイトを利用しオンラインで売買注文を出せるのはこれまでのところ、国営ベトナム外商銀行(ベトコムバンク)の証券子会社であるベトコムバンク証券(VCB証券)1社のみである。

 これを可能にしているのが、親会社VCB銀行に既に整備されている最新の通信網である。VCB証券ではこの通信網を利用し証券会社で唯一オンラインでの証券取引を展開している。

 証券取引所のあるホーチミン市から約180km離れたメコンデルタの中心都市、カントー市にもこのオンライン取引の恩恵を受けている人がいる。トアンさんによると、2年前からこのオンライン取引を開始しているが、これまで通信上のトラブルはなく、ホーチミンから離れていても十分株取引が行なえると話している。

 オンライン取引のほか、電話を利用したテレホン取引もあるが、オンラインではリアルタイムの売買情報が見られるほか、取引結果などの情報をそのまま画面上で確認できるなどメリットが大きいことから、VCB証券顧客のうち90%までがこのオンライン取引を利用している。

電子署名法がネック

 このようにオンライン取引がもたらす利益は大きく、特に地方在住者や海外在住者にはメリットが大きい。しかし、この取引が完全にオンラインですべて完了するのかといえばそうではない。ベトナムにおける証券取引にはそのつど署名が必要で、さらに電子署名に関する法律がいまだ未整備のため、結局オンラインで受付けた取引指示を証券会社職員が売買伝票に記入しているのだ。

 つまり、伝票には署名が必要となり、オンライン取引を希望する場合には、予め大量の売買伝票に署名を行い証券会社に預けておかなければならない。いくら遠隔地から取引できるとしても、署名入り伝票が足りなくなったらそこで取引はできなくなるのである。

 このためベトナムでオンライン証券取引を行なうには、予め署名だけ記入し、銘柄コード、売買株式数、指示価格の各欄を空欄にしたカラ伝票を直接証券会社に預けるかまたは郵送するかして“オンライン”取引を楽しむしかない。外資を取り込みベトナム証券市場を発展させたいベトナム政府だが、遠隔地から気軽に取引が行なえない状況では海外の投資家にとっては魅力的な投資環境とは言えないであろう。

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