米国の若者らにベトナム理解の種をまく

2008/10/12 08:28 JST配信

 「ベトナムを訪れたことのある若者は、10年後か20年後かにまた戻ってくる。私はその種をまいているのです」。在米越僑のブ・ドク・ブオン教授はそう語る。

 この3年間、彼はアメリカ人や在米越僑の若者たちのベトナム訪問ツアーを主催している。今年8月にも10人以上の若者を連れて、北部のサパやハロン市から中部のダナン市、南部のホーチミン市、メコンデルタ地方のカントー市などを訪れ、ベトナムの人と国土への理解を深める旅を行った。ベトナムには「知らなければ愛せない」という意味のことわざがある。知ることではじめて愛情も生まれてくる、というわけだ。

 最近になって彼は、20年前にまいた種に「実」がなったことを感じている。当時はベトナムがまだ世界に開かれておらず、行き来も今のように自由ではなかった。彼は何人かのアメリカ人のベトナム訪問を手伝ったが、そのうちの数人は今ベトナムを含む東南アジアで働いている。

 アメリカ生まれの越僑2世は、ベトナムに対して正しい認識を持っているとは限らない。彼が主催するベトナム訪問ツアーは、確かに彼らのベトナムに対する見方を変えてきた。しかし、これまでの成果について、彼は控えめにこう語る。「人それぞれ自分のできる範囲で目標を持って生きていくべきだと思う。私ができるのは、若者たちがベトナムに対する理解を深める手助けをすることだけだ」。

 ブオン教授は40年以上前にアメリカに留学しそのまま定住した。だから、アメリカのベトナム人コミュニティで起きる問題についてもよく分かっている。彼自身、言葉も通じない厳しい状況の中で身を立ててきた。そんな経験からアメリカで仕事や生活に困っている多くのベトナム人を助けてきた。

 彼はこれまでさまざまな職を経験してきたが、移民や難民の支援に関する仕事が多い。同胞が生活できるようなんとかしたいという思いから、移民支援の非営利団体で20年間働いたという。今はカリフォルニア州のデアンザ大学で社会学を教えている。

[Tien Phong online, 17/08/2008, 10:52]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 1969年1月19日、スイス人の若者3人が、フランス・パリのノートルダム大聖堂の高さ100m近い尖塔に登り、...
 中国発のぬいぐるみ「ベイビー・スリー(Baby Three=娃三歳)」が、ホーチミン市の若者の間でブームにな...
 デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ(Agoda)」を運営するアゴダ・カンパニー(Agoda Company、シンガ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 南中部沿岸地方ダナン市観光局は、2024年12月14日(土)から2025年1月2日(木)にかけて「クリスマス&ニュ...
 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
トップページに戻る