ディン・テー・ズイは北部ホアビン省タンラック郡のノン族の家庭に3人兄弟の末っ子として生まれた。両親は農業を営んで3人の兄弟を育て上げた。2人の兄はタイバック大学を卒業し、長男は現在、中学校の教員、次男はタイバック大学の教授をしている。
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高校時代、ズイの成績は優秀で物理学コンテストの賞を3度受賞した。以前はハノイ国立大学、自然科学大学で環境学科か化学科を目指していた。しかし何度も受験に失敗し、もっと自分に合った学部を選ぼうと考えを変えた。そして、ハノイ農業大学に優秀な成績で合格した。この大学に合格した人は、それまでクラスで2,3人しかいなかった。
「多くの農学部の学生はこの学問をつまらないと思い、卒業してからも自信を持てずにいます。特に僕が入学した農業通信学科には入学後に他の学校に入り直そうとする学生が大勢います。しかし、通信技術を農業や酪農に応用するというこの新しい分野には多くの課題と研究対象、技術開発の余地があり、やりがいのある学問だと思います。」
研究する上で困ったことは、新しい研究分野であるがゆえに「英越」の専門辞書がないということだ。そこで、ズイは5人のクラスメートとともに英越の専門辞書をいつでもどこでも手軽に調べられるソフトウェアというかたちで作ろうという計画を立てた。