東南部バリア・ブンタウ省で会社を経営するレ・アン会長(74歳)は今年3月に20歳の花嫁をもらい、盛大な披露宴を開いた。同氏にとって5度目の結婚で、4番目の妻は結婚当時25歳だったという。若い娘にうつつを抜かした、好色老人と思うなかれ、同氏はベトナム財界で一時代を築き上げたまさに大物だ。
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アン氏は1938年、南中部クアンナム省の貧しい家庭に生まれた。1958年、同氏はゴ・ディン・ジエム政権下の兵役を免れるために、東南部ビンフオック省へ移り住んだ。
借り物の古いシンガーミシンで生計を立て、1年後に資金が貯まると、このミシンを買い取り、さらに2台のミシンを購入して、従業員を雇った。ベストの縫製を教わり、資金を集めてサイゴンへ移り「チエンズ・テイラー」をオープンした。こうして得た資金で米ドルを購入しサイゴンで消費したため、当時、南ベトナムで活動していたCIAから目をつけられ拘束されたこともあった。共産党への資金援助の容疑がかけられたが2か月後、疑いが晴れると釈放された。
その後は、全資金を注ぎ込み、個人銀行を設立した。しかし、設立後、間もなくしてサイゴン解放を迎え、それまで所有していた債権は、たちまち紙くずと化してしまった。