私設「捕虜になった革命戦士博物館」誕生の物語

2014/05/25 07:32 JST配信

 バンさんは2003年に60歳で定年退職した後、1室だけの博物館を2004年12月に開設した。家族と相談し2,000平方メートルの土地を博物館に充てることを決め、2006年10月には旧ハタイ省(現ハノイ市)人民委員会から博物館の設立を公認された。こうして同年11月に正式に博物館が誕生した。

(C)Nguoi lao dong
(C)Nguoi lao dong

 博物館は9つの部屋に分かれている。◇故ホー・チ・ミン主席と戦争烈士(戦死した軍人・従軍者)を祭る部屋、◇ベトナム戦争関連の現物資料や写真を展示する部屋、◇米軍と南ベトナム軍の犯罪の証拠を展示した部屋など。3000点を超える現物資料の一つに、箱に入った釘がある。フーコックの収容所で、頭に釘を打ち込まれて殺されたダン・ホン・ソン少尉の頭蓋骨から取り出されたものだ。

 博物館の職員はバンさんを含め15人いるが、いずれも元兵士や元捕虜達だ。全員が無給で働き、博物館も無料で公開している。開館から8年で数万人が訪れた。元兵士だけではなく、全国から多くの生徒達や外国人も見学に来ているという。

 展示室にはこう書かれた看板が掲げられている。「ご来館の皆様、静かに歩かれるようお願いします。ここには友人達の魂が眠っています」

前へ   1   2   次へ
[Nguoi lao dong online,03/05/2014 22:07,O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 東南部地方バリア・ブンタウ省ブンタウ市チャンフンダオ通り98番地(98 Tran Hung Dao St., Vung Tau)で...
 ベトナム・ブック・オブ・レコーズはこのほど、バリア・ブンタウ省ブンタウ市にある武器博物館「The wo...

新着ニュース一覧

 ベトナム国家銀行(中央銀行)は、マネーロンダリング防止法の一部条項を具体化する通達第27号/2025/TT-N...
 ホーチミン市教育訓練局はこのほど開いたセミナーで、市内の普通教育機関での休み時間中に携帯電話や電...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、長距離国際線の拡大を視野に、1
 南部メコンデルタ地方ドンタップ省に住むファン・ゴ・ジエム・フオンさん(女性・18歳)には「我が家」が...
 公共の場に自動体外式除細動器(AED)を設置するベトナム初の取り組みが始まった。心停止後の初動対応力...
 インターネット接続の性能を評価するウェブサイト「スピードテスト(Speedtest)」を運営する米国のオー...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、米ボー
 ベトナムの決済アプリ大手「モモ(MoMo)」は、世界的保険グループであるチャブグループ(Chubb Group)傘...
 ホーチミン市当局は10月、ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のマイチート(Mai Chi Tho)通りに全長約5...
 KDDI株式会社(東京都港区)は11日、ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Gr...
 株式会社多摩川ホールディングス(東京都港区)の孫会社である多摩川電子ベトナム(TAMAGAWA ELECTRONICS ...
 家具・建築用金物製造販売を手掛ける株式会社中尾製作所(三重県津市)は4日、東南アジア地域における販...
 ホーチミン市タンミー街区(旧7区)のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen...
 ベトナム共産党政治局は、政治システムにおける職位・職務区分を改定する決定第368号-QD/TWを公布した...
トップページに戻る