ハノイ市民に愛された交通警察官、40年の任務を終え涙の定年退職

2014/11/09 06:24 JST配信

 ドアン大佐には、こんな思い出もある。

(C) infonet
(C) infonet

 「これまでに、この橋で自殺しようとした人を40人ほど救ったことがあります。彼らの顔は今でも心に深く刻まれています。中でもよく覚えているのは、3年前にナムディン省出身の女性を救った時のこと。その日の夕方、私がいつものように交通整理をしていると、通行人の悲鳴が聞こえました。橋の手すりに上って、今にも川へ飛び降りようとしている女性がいたんです。でも、私が警察だと分かればその女性はパニックになってしまうかもしれない。だから私はバスをつかまえて乗り込み、彼女にばれないように近付きました。そして、彼女との距離が5mくらいになったところで急いでバスを降りて、彼女の手を掴み、しっかりと抱き抱えて路上に下ろしました。私がしばらく説得をしていると、女性はぽつぽつと語り出しました。夫婦生活に疲れ果てて自殺を決心した、と。3年経った今、彼女たち夫婦には2人の子供がいて、この橋を通るたび私に手を振って挨拶してくれます。彼女の田舎でとれたジャガイモを私におすそ分けしてくれたこともあるんです。本当に嬉しかったです。」

 10月31日18時、辺りが暗くなり街灯がともったころ、ドアン大佐と同僚や市民との別れの時がきた。その日がドアン大佐との別れの日だと知っていたタクシーやバス、車のドライバーたちは走行速度を緩め、ドアン大佐と握手を交わし、感謝の挨拶をして通り過ぎていった。また、ドアン大佐の携帯電話には、長年の功労をねぎらい別れを惜しむ市民や友人たちからの電話とSMSがひっきりなしに入っていた。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 雨の日も太陽が照り付ける日も、平日の16時30分になると、誘導棒と笛を携えて自転車に乗り、ホーチミン...

新着ニュース一覧

 ベトナムで国内初の炭素取引所が6月末に試行稼働したものの、初日の取引以降、1か月余りにわたり新たな...
 電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 政府は8月1日、産業クラスターの管理・開発に関する政令第32号/2024/ND-CPの一部を改正・補足する政令...
 烈士(戦死者)の遺骨の捜索・収集は、ほとんどの場合、ほんのわずかな手がかりから始まる。その手がかり...
 内務省は、2026年のベトナム文化の日および2027年のテト(旧正月)と建国記念日に伴う休暇について、日程...
 教育訓練省は、東北部地方トゥエンクアン省のトゥエンクアン英才高校の試験会場における2026年高校卒業...
 VIETJOベトナムニュースが2026年7月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:
 財政省傘下統計局(NSO)の発表によりますと、2026年4~6月の国内総生産(GDP)成長率(推定値)は前年同期比...
 南中部地方ダナン市人民委員会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進およびデジタル経済の発...
 クラフトチョコレートの製造や販売を手掛けるザ・ココア・プロジェクト(The Cocoa Project)は、ホーチ...
 東北部地方クアンニン省のクアンイエン沿岸経済区で、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)が総額約5...
 ハノイ市のノイバイ国際空港は、車両の混雑緩和を目的に3日から導入した新たな車両動線計画について、...
 英国・ロンドンの高等法院は、ベトナムのアニメ制作会社であるSコネクト(Sconnect)が制作する人気アニ...
 南中部地方ダナン市で3日、国際ミスコンテスト「ミス・ヘリテージ・グローバル2026(Miss Heritage Glob...
トップページに戻る