無料のピアノ教室、シニアの「眠っていた夢」を育てる場に

2025/08/03 10:00 JST配信

 生徒たちがこの教室に通う理由は、音楽が自分にプラスの影響を与えてくれるからだ。ダオ・ティ・バンさん(女性・71歳)は、スマートフォンを使っていると目まいがして頭が痛くなるが、ピアノを習い始めてからというもの、頭がさえ、夜もぐっすり眠れるようになり、心も穏やかになったという。ピアノを練習することは、精神的にも身体的にもメリットがあるのだ。

(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre

 音符を覚える記憶力や両手を動かす柔軟性が必要なピアノの演奏は、年配の人々には難しそうにも見えるが、むしろその「壁」が健康の増進につながる。

 5年以上にわたりピアノを習っているキエットさんは、こう話す。「第1に、最初は硬かった関節が、ピアノを弾くうちに柔らかくなって痛みも和ぎました。第2に、音符を覚えることで脳が活性化され、老化による病気や認知症にもなりにくくなります」。

 トさんは生徒たちとの会話の中で、「年配の人々は、仕事に行くこともなくなり、自宅で四方の壁に囲まれて過ごすだけで、1日を長く感じている」ことに気づいた。年配の人々のこうした心の内を理解したトさんは、この10年間、オンラインとオフラインの両方の形式でレッスンを続けてきた。

 この4年間、トさんのアシスタントを務めているボー・ニャット・グエンさん(女性・28歳)も、年配の生徒たちが練習の進捗を嬉しそうに話してくれることが何よりの喜びだという。グエンさんは、「人の人生をより良くすることに貢献できたとき、自分自身の心も癒されるんです」と語った。

前へ   1   2   3   次へ
[Tuoi Tre 12:58 21/07/2025, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 3月末、ハノイ市ホアンマイ区在住のレ・ティ・ビック・フオンさん(女性・77歳)は、フオンさん自身が手...
 ホーチミン市ホックモン郡ドンタイン村タンドン集落にある小さな下宿に住むチャン・フイン・スアンさん...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る