タイの素材最大手サイアムセメントグループ(SCG)傘下のSCGパッケージング(SCGP)は、ベトナムのプラスチック包装大手であるズイタン・プラスチックス(Duy Tan Plastics)の株30％を追加取得し、完全子会社化したと発表した。取得額は約2兆8250億VND(約157億円)。

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　SCGPは2021年2月にズイタン・プラスチックスの株70％を約6兆4000億VND(約356億円)で取得しており、今回の追加取得で持株比率は100％となった。

　ズイタン・プラスチックスは、高品質の硬質プラスチック製品を提供するベトナム国内の主要メーカーで、高い利益率を維持している。2024年の売上高は5兆3810億VND(約300億円)、税引後利益は5780億VND(約32億円)だった。同年末時点の総資産は4兆6270億VND(約257億円)となっている。

　SCGPは、ズイタン・プラスチックスを完全子会社化することで、ベトナム市場での統合パッケージングソリューションの提供力と事業運営の効率を一層高められるとしている。

　SCGは1992年にベトナム市場に進出して以来、積極的な合併・買収(M&A)戦略を展開してきた。現在、ベトナム国内に27社のグループ企業を持ち、従業員数は約1万6000人に上る。プラスチックや建材など、幅広い分野でプレゼンスを拡大している。

　同社はこれまでに、◇ビンミン・プラスチック[BMP](Binh Minh Plastics、持株比率55％)、◇ティンタイン・プラスチック包装(Tin Thanh Plastic Packaging、同80％)、◇ビエンホア包装[SVI](Bien Hoa Packaging、同94.11％)、◇スターセムト(STARCEMT、同100％)、◇スタープリント・ベトナム(Starprint Vietnam、同70％)などを傘下に収めてきた。

　2025年1～3月期の連結売上高は前年同期比+0.1％増の1244億THB(約5500億円)となった。地域別では、タイ国内が売上高の56％を占めて最大となり、次いでベトナムが8％、インドネシアが7％、中国が4％、カンボジアが2％と続いた。