米国の知財権侵害報告書、ベトナムを最高レベルの監視対象に

2026/05/08 05:01 JST配信

 米国通商代表部(USTR)はこのほど、貿易相手国の知的財産権の保護と執行に関する「2026年版スペシャル301条報告書(2026 Special 301 Report)」を発表した。

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 同報告書でベトナムは、スペシャル301条に基づく最高レベルの警告である「優先監視国(Priority Foreign Country=PFC)」に指定された。米国がパートナー国に最高レベルの警告を発したのは、2013年のウクライナ以来13年ぶりとなる。

優先監視国指定の背景

 同報告書によると、ベトナムが優先監視国に指定された理由は主に以下の5点となる。

◇デジタル環境における著作権侵害に対する非効率的な執行

◇偽造品や商標侵害に対する不十分な対策

◇国境における執行メカニズムの限界

◇企業における無許可ソフトウェア使用に対する取り締まりの欠如

◇暗号化された番組を伝送するケーブルテレビや衛星信号の違法流用に対する刑事規定の未整備

今後の影響と企業への勧告

 ベトナム商工連盟(VCCI)傘下のWTO・統合センター(Center for WTO and International Trade)は、米国の評価次第では長期間の調査が開始され、関税などの不利な貿易措置につながる可能性があるとして、動向を注視する必要があると指摘した。実際、ドナルド・トランプ大統領政権の1期目には、中国に対して通商法301条に基づく調査を実施し、追加関税を適用した事例がある。

 同センターは、ベトナムが近年、知的財産法の改正など法的枠組みの整備や執行強化に努めていることを強調しつつ、企業に対し、社内での知的財産法の遵守状況を早急に確認するよう勧告した。特に米国市場やサプライチェーンと密接に関わる企業は、使用するソフトウェアや画像、商標の合法性を確認し、デジタルプラットフォーム企業はコンテンツ管理を強化することが求められる。輸出企業においても、情報の透明性向上とサプライチェーン全体のトレーサビリティ強化が不可欠となる。

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