ホーチミン市トゥドゥック区警察は3日、同区内で発生した暴行殺人事件の報告書をまとめた。この事件は、南中部地方フーイエン省出身のラムとリンという若い兄弟が起こしたもの。2人は2006年初めにホーチミン市にやって来た。兄のラムは工事現場などで日雇い労働をして生計を立てていたが、キレやすく粗暴な性格だったためどの職場も長続きすることはなかった。
昨年の12月28日、ラムはある工事現場で日給5万ドン(約360円)の仕事についたが、態度が悪く2日でクビになった。ラムは同月30日にリンを自転車の後ろに乗せて2日分の給料を受け取りに行った。しかし、ささいなことから現場にいた別の労働者らとけんかになり、多勢に無勢で自転車を置いて逃げ帰った。家に戻るとラムとリンは、自転車を取り返し、仕返しをする計画を立てたが、現場に戻ったのは午後5時過ぎで、労働者らは既に帰った後だった。
しかし2人は、たまたま現場に居合わせただけで、先ほどの争いとは一切関係のないブーさんという男性に襲いかかった。ブーさんが自分は何も知らないと言うのも聞かず、2人は交互に殴り続け、しまいにはラムが刃物を持ち出してブーさんの胸と腰を刺すという凶行に及んだ。事件後、ブーさんは救急車で病院に搬送される途中で死亡、リンは現場から逃走、ラムも逃走を図ったが、近くの住民らに取り押さえられた。