8月初旬、在ホーチミン市ドイツ領事館やメコンデルタ地方カマウ省人民委員会に、アメリカ越僑のリエムと名乗る人物からファン・キム・ハイン(28歳)というドイツ国籍の越僑女性が1週間ほど前から消息を絶っているので捜索して欲しいというメールが送られてきた。このメールによると、ハインさんはカマウ省内のマングローブ林に男性2人と一緒にボートで出かけてから行方知れずになっているとのことだった。
この知らせを受けたドイツ総領事は直ちにホーチミン市外務局に協力を要請し、地元カマウ省人民委員会も警察や国境警備隊を指揮して捜索活動を行った。ところが、時間の経過に従って各関係機関に寄せられた情報を総合すると、ファン・キム・ハインというドイツ国籍の女性が失そうしたという事実はなく、メールの送り主のリエムという人物の所在すら確認できないことが明らかになった。
外務局のクオック副局長によると、ドイツ総領事も偽の失そう者情報に踊らされたことを認めているというが、誰が何のためにこのような情報を流したのかというなぞは残ったままになっている。