ホーチミン市内の家庭用デジタル電気メーター汚職事件で、捜査警察局は3日午後6時、ホーチミン市電力公社のレ・ミン・ホアン前社長を国家規定違反容疑で逮捕した。また同日午後、市内タイ・バン・ルン通り9番地にあるホアン容疑者の自宅及び公社事務所を家宅捜索した。
この事件は家庭用電気メーター31万2,000個をシンガポールから輸入したと見せかけ、実際には中国製部品をホーチミン市内の公社副社長の自宅で組み立て、合計1,850億ドン(約1,160万米ドル)を着服していた。またそのほかの入札に関しても、親族が経営する会社に落札させるなどし、国庫に甚大な損害を与えた。
この事件では今年8月に公社副社長のレ・バン・ホアン容疑者のほか、物資室長、国際協力室長、技術室長、営業副室長、電気試験センター副センター長の計6人が既に逮捕されており、公社幹部による組織的汚職が明らかになっている。ホアン容疑者の逮捕が遅れた理由には、ホアン容疑者が国会議員で不逮捕特権があるため逮捕手続きに時間がかかったことが背景にある。
人民最高検察院は先月29日、国会常務委員会に対し、ホアン国会議員の逮捕を許可するよう求める提議書を送付しており、30日には国会常務委員会が全会一致で国会議員資格の一時停止、逮捕・拘留、及び家宅捜索を許可する決定を行った。その後3日午後、起訴状がハノイからホーチミンに送られ、午後6時ホーチミン市祖国戦線委員会のチャン・タイン・ロン委員長が常任委員会の決定を言い渡し、逮捕された。拘留期間は4ヶ月間。