ホーチミン市の高級マンションで部屋の不良個所を指摘し修理を要求した客に対し、販売会社が裁判所に契約破棄を訴え出るという事態になっている。この問題は、高級マンション「ザ・マナー」のAE305号室でトイレの下水が逆流したため、責任の所在を巡って住人のビンさんと販売会社のビテクスコが対立していたもの。
ビテクスコは、ビンさんが求めていた別の部屋との交換を拒絶した上で、修理は行なうとしてビンさんに仮住まいとして別の部屋をあてがった。ところがその直後、ビテクスコはビンさんが販売価格16万7000ドル(約1800万円)のうち約1万5000ドル(約165万円)をまだ支払っていないことを理由に、一方的にビンさんとの契約を破棄する訴えを裁判所に起こし、ビンさんの部屋のかぎを勝手に付け替えてしまい、出入りできないようにしてしまった。
これに対しビンさんは、下水の問題が解決した段階で残金を払うつもりだったと主張している。この問題の背景には「ザ・マナー」をはじめとする高級マンションの価格が高騰しているため、ビンさんのような面倒な客を相手にしなくてもいくらでも客はいるという販売会社のおごりがあると見られる。実際、ビテクスコ側の代表も部屋に文句があるなら出て行けばいいという趣旨のことを口にしている。
ある弁護士は、「ビンさんの支払いが遅れたのは下水の逆流という問題が起こったためであり、単純な支払いの遅れとは言えない。ビテクスコのやり方は違法行為だ」との見解を示している。