国家交通安全委員会、ホーチミン市人民の声放送局などが共同で設置した賞「道路のヒーロー2008」の授賞式が先ごろ開催され、人命救済や犯人逮捕協力などの勇敢な行為を讃えて、運転手のティー・バン・ティエンさん(34歳)、グエン・バン・ブーさん(43歳)、グエン・バン・ビエンさん(51歳)の3人が表彰された。
タクシー運転手のティエンさんは去年9月、ホーチミン市のルオンヒューカイン通りでかばんを持った若い男を車に乗せた。男は西部バスターミナルに行くよう指示したが、6区のフーラム橋にさしかかった所で、かばんを捨てたいから停車するようにと言った。不審に感じたティエンさんは、橋の上で駐車すると警察に罰金を取られると答え、そのままバスターミナルまで進んだ。ティエンさんがかばんを運ぶ手伝いをしながらかばんの中をのぞくと、かぎの壊れた血まみれの金庫が見えた。ティエンさんはこっそり警備員に合図を送り協力して男を捕まえた。後にこの男は犯罪グループの一員で、数時間前に2人を殺害していたことが判明した。
バス運転手のブーさんは、多くの交通事故被害者を救済してきた。最も印象に残っているのは3年前メコンデルタ地方ドンタップ省で、頭から血を流している中年男性を見つけた時のこと。ブーさんは走行中のバスを止め、乗客をバスの中に残したまま、その男性を病院に搬送した。ブーさんは「人を助けるのは人としての当然のこと」と語った。
オート三輪の運転手ビエンさんも、交通事故被害者を救ったり犯罪を阻止したりしてきた。ビエンさんは受け取った謝礼金をすべて寄付に回しているという。