ラオスを流れるメコン川本流で2011年4月にサヤブリダムの着工が計画されている。22日に北部クアンニン省で開かれた同ダム建設に関する意見聴取会議でグエン・タイ・ライ資源環境次官は、「ダム建設で影響のあるメコン川流域で最も心配なことは、洪水や水質汚染ではなく水不足の問題だ」と述べた。23日付トゥオイチェー紙電子版が報じた。
ベトナム・メコン川委員会事務所職員のチュオン・ホン・ティエン氏は「海外の各専門家の計算によると、メコン川本流で計画されている12か所の水力発電所がすべて建設されても、流域諸国の電力需要の6%を賄うに過ぎない。一方栄養分を含んだ流砂の量は年間2600万tから700万tに激減し、ベトナムとカンボジアの農業と水産養殖業が最も大きな影響を受けることになる」と指摘した。
また、海外の専門家が実施した環境戦略評価の報告書によると、各ダムの建設によって得られる利益は年間30億~40億ドル(約2470億~3300億円)に上り、このうちラオスが70%を占める。カンボジアとタイはそれぞれ11%で、ベトナムの利益はわずか5%に過ぎない。
ライ資源環境次官と会議に参加した多くの専門家は、サヤブリダム建設の影響評価をすべてのダム建設計画と関連させる必要があるとの意見で一致、ラオス政府に意見聴取期間の延長と着工時期の延期を求める要望書を提出することを決めた。