ハイフォン:立退きを迫られた住民、散弾銃を発砲し、警官6人が負傷

2012/01/18 19:04 JST配信

 北部ハイフォン市で5日、立ち退きを迫られた住民が手製爆弾と散弾銃で警官隊に抵抗し、警官隊6人を負傷させて、逮捕される事件が発生した。ザンチーなどが報じた。

 事件が起きたのは同市ティエンラン郡にあるエビ養殖場の敷地。この養殖場は、ダオ・バン・ブオンさん(男性:49歳)が1993年に同郡人民委員会から14年の期限付きで土地使用権を取得したもので、荒れ果てた土地から一族総出で堤防などを建設し、エビ養殖場へと発展させていった。

 同郡人民委員会は使用期限が過ぎたとして2009年に、エビ養殖場となっている40.3ヘクタールの土地を無賠償で回収すると発表した。これを不服に思ったブオンさんは、同郡人民委員会を提訴。現行の土地法では、公的農業用地の使用期限は最低20年で、当局が回収する際には相応の賠償が必要とされている。また、使用期限後に、該当する土地で国が指導する案件の実施が予定されていない場合、土地使用者は引き続き優先的に土地を使用することが認められている。

 同郡裁判所で敗訴したブオンさんは、ハイフォン市裁判所に控訴する構えを見せた。そこで、市裁判所の裁判官が仲裁に入り、原告側と被告側に和解を勧めた。これを受け、原告側のブオンさんは被害届けを取り下げ、同郡人民委員会は、ブオンさん一族に引き続き土地使用を認めることで一致していた。しかし、同郡人民委員会は一方的に、この約束を破り、土地回収のために強硬手段に出た。

 事件当日、同郡人民委員会は警官隊約100人を出動させ、ブルドーザーで養殖場敷地内の建物を取り壊そうとした。これに抵抗したブオンさん一族の数人が敷地内の住宅に立て篭もりながら、手製爆弾と散弾銃で応戦。警官隊6人に重傷を負わせた。一族は警官隊との衝突の後、現場から逃走したが、その後、地元警察に出頭した。養殖場敷地内の住宅及び全ての建物が当局の指示で取り壊された。

 警察は、応戦したブオンさんと、その兄弟、息子、合わせて4人を殺人未遂の容疑で逮捕。残りの家族も後日、公務執行妨害の疑いにより逮捕された。

 資源環境省のダン・フン・ボー元次官は、同郡人民委員会の強引な手段について、明らかに法律に違反しており、人道的にも認められる行為ではなかったとし、一部の高官が土地を私的に利用するため強引に立退きを迫った疑いがあると述べた。

 なお、ブオンさんは地元では名士として知られ、人望が厚く、当局への非難の声は日増しに強くなっており、土地法の改正を求める声も上がっている。

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