有名作家「ボ・ラップ」を政府批判で逮捕、片麻痺患者の身柄拘束に疑問の声も

2014/12/10 17:13 JST配信

 ホーチミン市警察は6日、作家・脚本家のグエン・クアン・ラップ氏(男性・58歳)を逮捕し、同市2区タオディエン街区にあるラップ氏の自宅の家宅捜索を行った。

(C) baophapluat 逮捕されたラップ氏
(C) baophapluat 逮捕されたラップ氏

 逮捕の理由は明らかにされていないが、情報筋によると、ラップ氏が自身のブログに政府批判に関する内容を掲載した行為が「自由及び民主を悪用し、国家・組織・個人の利益を侵害する罪」を規制する刑事法第258条に触れたと見られている。なお、これによる量刑の上限は禁固7年となっている。

 ラップ氏は、数年前にブログ「クエ・チョア(Que Choa)」を立ち上げ、「ボ・ラップ(Bo Lap)」のハンドルネームで政府の誹謗中傷及び反体制的な内容の記事を掲載していたとされる。同ブログではこうした内容が面白く滑稽に書かれていることから多くの読者を集めており、ページビュー数が最も多いベトナム語ブログの1つとなっている。

 同氏は北中部クアンビン省クアンチャック郡出身。ハノイ工科大学で無線工学専攻の学士号を取得した。大学卒業後はベトナム軍に入隊し、1980年から1985年までの約5年間にわたり従軍していたが、文章を書く才能に恵まれた彼は作家としても活躍してきた。

 ベトナム作家協会、ベトナム芸能・劇場協会、ベトナム映画協会、ベトナム記者協会の会員でもある同氏が脚本を執筆した映画「Doi cat(砂のような人生)」、「Thung lung hoang vang(寂れる谷)」は、2001年度第13回ベトナム映画祭でそれぞれ金賞と銀賞をダブル受賞し、同氏自身も最優秀脚本家部門の賞を勝ち取った。「Doi cat」はアジア太平洋映画祭でも金賞を受賞し、海外の専門家からも高く評価された作品として知られている。

 なお、同氏は数年前、バイク事故に遭い片麻痺の体となった。国内で知識人が反体制的な思想を表明して逮捕・立件されるのは今回が初めてではないが、日常的に治療を受ける必要のある障害者が身柄を拘束されたことに疑問の声も上がっている。

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