政府批判の元公安省職員ブロガーに禁固5年の判決

2016/03/25 07:21 JST配信

 公安省の元職員で探偵事務所の元社長のグエン・フウ・ビン被告(男・60歳、ハノイ市在住)が個人ブログに政府を批判する内容を繰り返し投稿し、国家に不利益をもたらした罪に問われていた事件で、ハノイ市人民裁判所は23日、同被告に禁固5年の判決を言い渡した。

(C) thanhnien, 左:ビン被告、右:トゥイ被告
(C) thanhnien, 左:ビン被告、右:トゥイ被告

 ビン被告の同僚で共犯のグエン・ティ・ミン・トゥイ被告(女・36歳、同)には、禁固3年の判決を下した。2人はいずれも罪状を認めていない。

 起訴状によると、ビン被告は2013年9月から、「ザンクエン(Dan quyen=民権)」及び「チェップスーベト(Chep su Viet=ベトナム歴史記録)」の2つの個人ブログを開設、運営していた。2014年5月に逮捕されるまで、トゥイ被告と協力して「アインバーサム(Anh Ba Sam=皮肉のバーさん)」のハンドルネームで事実を歪めた内容を投稿し、国の指導者らを誹謗中傷したほか、政策方針などの批判を繰り返していた。

 2つのブログには2400本近くの記事が掲載され、ページビュー数は合わせて372万件以上に達している。このうち24本の記事は「事実と異なる内容が含まれている」として、裁判での証拠物件として認められた。

 ビン被告は北中部地方タインホア省共産党委員会書記や労働省大臣、駐旧ソ連ベトナム大使などの要職を歴任した故グエン・フウ・キエウ氏の末っ子。本人も1979年に国民公安大学卒業後、公安省公安総局、外務省在外ベトナム人委員会の職員として働いていた。1999年に公務員の職を離れて探偵事務所を開設した。

 なお、ブロガーによる一連の活動が刑事事件として処理されるのは今回が初めてのことではない。特にグエン・タン・ズン首相が2012年9月に政府や共産党の誹謗中傷を繰り返すウェブサイトやブログを運営する組織・個人に対する摘発強化及び処分の厳格化を公安省に指示して以降は、逮捕件数が急増している。

[Ha An-Nam Anh, Thanh Nien, 06:16 PM - 23/03/2016, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 公安省の元職員で探偵事務所元所長のグエン・フウ・ビン被告(男・60歳、ハノイ市在住)が個人ブログに政...
 世界中の言論・報道の自由を主張するジャーナリストによる非営利組織「国境なき記者団」(本部:フラン...
 南中部高原地方ダクノン省警察は22日、同省クークイン郡エアボク村在住のチャン・ミン・ロイ容疑者(男...
 北中部ハティン省国境警備隊は17日、反政府活動を行っている疑いでハノイ市ミードゥック郡在住のグエン...
 ブログで政府批判に関する内容を掲載し、逮捕・勾留されていた作家・脚本家のグエン・クアン・ラップ氏...
 公安省治安捜査局は9日、グオイカオトゥオイ(Nguoi Cao Tuoi、「高齢者」)新聞社が掲載した一連の記事...
 ホーチミン市警察は6日、作家・脚本家のグエン・クアン・ラップ氏(男性・58歳)を逮捕し、同市2区タオデ...
 ハノイ市警察は5日、インターネット上で政府を誹謗中傷する内容の投稿を繰り返し、国家に不利益をもた...

新着ニュース一覧

 英国の大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds=QS)が発表した最新の大学ランキング...
 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、6月のプライド月間(L...
 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
トップページに戻る