ベトナム規格・消費者保護協会(VINASTAS)が国内市場に出回る88ブランドの瓶詰ヌクマム(ベトナム魚醤)の成分調査を実施し、全サンプルのうち67%で基準値を超える濃度の有機ヒ素が検出されたと報告した問題で、商工省は8日、成分調査の実施と結果発表に至る過程でVINASTASが取った行動の調査結果を公表し、問題点を指摘した。
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それによると、VINASTASは成分調査の明確な計画を作成せず、内部の責任部署の承認を得ないまま、会長と一部の職員のみで調査を実施していた。購入した150のサンプルには財政省が規定する領収書がなく、小売店のレシートまたは自ら作成したリストしかなかった。
また、今回の成分調査は外部からの支援を受けて実施しており、消費者権利保護法第28条で規定する独立性が担保されていなかった。成分調査結果の発表については、人の健康に悪影響を及ぼす無機ヒ素と無害の有機ヒ素を同一視し、「104のサンプル(69%)が無機ヒ素の基準値を超えていた」との科学的根拠のない誤った情報をホームページに掲載し、社会を混乱させたと指摘している。
商工省はグエン・スアン・フック首相に対し、VINASTASがマスコミで誤った情報を訂正するよう指示することを提案した。内務省には、VINASTASの消費者権利保護活動における法的地位を確認することなどを求めた。
これに先立ち、保健省は国内のヌクマム工場82か所で採取した247サンプルの検査を実施し、ヌクマムの安全性を確認した。同省は、VINASTASの報告について「誤解を招き、国民に不安を与える不正確な情報」であり、「市場に出回るヌクマムはいずれも安全」との見解を発表している。