北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、ベトナム人のドアン・ティ・フオン被告の弁護を担当するセルバム・シャンムガム(Selvam Shanmugam)氏がベトナムを訪れた際にインタビューに応じ、「フオン被告の無実を信じている」とコメントした。
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同被告は、マレーシアのクアラルンプール国際空港のロビーを歩いていた金正男氏に背後から近付き、猛毒の神経剤の一種であるVXガスを顔に塗布して死に至らせたとの疑いが持たれている。
これについてセルバム・シャンムガム氏は、「本当にVXガスを使用したのであれば、フオン被告を含めて現場の周囲の人にも影響が出たはず。フオン被告は事件発生後も逃走することなく、翌日に事件当日と同じシャツを身に着けて空港に戻ったことからも、前日の事件を意識していなかったことが分かる」と主張した。
同氏によると、検察官がフオン被告へ求刑するには殺意を証明しなければならないが、証明できる可能性は低いとし、「金正男氏が以前から患っていた疾患により死亡したことが判明すれば、フオン被告は行政処分になるだろう」とコメントした。フオン被告の裁判には約2年間かかる見通しだ。
なお、ベトナム弁護士連合会は、フオン被告の弁護を補佐するため、5人のボランティア弁護士団をマレーシアに送り出す予定だ。