同じ名前と生年月日の亡き息子たち、2人の老母が訪れる共同墓

2019/10/05 06:35 JST配信

 北部紅河デルタ地方ニンビン省に建つある墓石には、毎年異なる時期に2人の年老いた母親がそれぞれ亡き息子を供養しに訪れる。ルウ・ティ・ヒンさん(85歳)は毎年12月25日に息子のディン・ズイ・トゥアンさんへ白い菊を7本、ハー・ティ・スアンさん(85歳)は毎年7月13日に息子のブイ・タイン・トゥアンさんへ黄色い菊を7本を手向ける。

(C) VnExpress
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 ズイ・トゥアンさんもタイン・トゥアンさんも共に1977年にニンビン省のザービエン郡(huyen Gia Vien)で生まれ、21歳で軍に入隊し、それぞれ12月25日と7月13日に戦死した。墓に手向ける菊の色は、白が未婚で黄色が既婚を意味する。

 2002年、ズイ・トゥアンさんの遺族は南部メコンデルタ地方アンザン省の墓地で息子と同姓同名が刻まれた墓石を発見した。墓石に彫られた死亡日は7月13日と、ズイ・トゥアンさんの戦死日とは違ったが、遺族は本来の命日である12月25日やテト(旧正月)に法要に訪れるようになった。

 8年後の2010年、タイン・トゥアンさんの家族もまた同じ墓地を訪れこの墓石を発見した。刻まれた苗字とミドルネームは違ったが、それ以外の生年月日や死亡日などの情報はタイン・トゥアンさんと合致したため、遺族は遺骨を故郷へ持ち帰り、本来の名前であるブイ・タイン・トゥアンと彫った墓石に納めた。

 さらに8年後の2018年になって、ズイ・トゥアンさんの遺族は初めて遺骨が移されていて、自分たちが空っぽになった墓石を拝んでいたことを知った。

 両家は話し合いを重ね、ニンビン省の墓石に移された遺骨のDNA鑑定をすることに決め、同年9月3日に共同で法要を行った。ところが、DNA鑑定では身元を明らかにすることができなかった。肩を落とした両家の母親は手を取り合って互いに慰め合い、身元不明の遺骨が納められた墓を両家の共同墓とすることにした。

 スアンさんは自宅から18km離れたこの墓地に眠る遺骨は亡きタイン・トゥアンさんだと信じ、ヒンさんもまた自宅から100mのこの墓地に眠るのは息子のズイ・トゥアンさんだと信じてやまない。両家の老いた母たちは折ある毎にこの共同墓を訪れては、亡き息子に想いを馳せている。

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