ベトナムで絶滅危惧のマメジカ希少種、約30年ぶりに発見

2019/11/13 05:24 JST配信

 絶滅が危惧されていた小型のシカに似た有蹄類「マメジカ(英語:chevrotain、ベトナム語:huou chuot)」の希少種の姿が、ベトナムの熱帯林で約30年ぶりに撮影されていたことがわかった。

(C) bnews
(C) bnews

 研究チームが11日付けの英科学雑誌「ネイチャー エコロジー&エボリューション(Nature Ecology & Evolution)」に論文を掲載し、明らかにした。

 マメジカが発見されたのは南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市の熱帯林。近隣住民の証言をもとに、科学者らは林にカメラを設置し、5か月間で275枚の写真を撮影。続けて29台のカメラを設置し、さらに1881枚の写真を収集した。

 この動物は英語の「mouse deer」やベトナム語の「huou chuot」のように「ネズミジカ」と名がついているが、シカでもネズミでもなく世界で最も小さい有蹄動物で、体重は5kgほどしかない。米国の野生生物保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション(GWC)」の絶滅危惧動物25種のリストにも入っている。

 今回見つかったマメジカの希少種は、1910年にニャチャン市で4個体が初めて発見された。しかし、その後は1990年にベトナム中部で発見された1個体の死骸をベトナムとロシアの研究チームがハンターから入手したのを最後に、何十年も姿が目撃されておらず、絶滅が危惧されていた。

 専門家は、絶滅していないことが確認されたのは朗報だとしながらも、すなわちこの動物が安全であることを意味するわけではないとし、この種を保護するための対策を迅速に講じる必要があると指摘している。

[Bnews 09:47 12/11/2019, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 絶滅危惧種の動物「サオラ」とみられる個体の映像が、北中部地方クアンビン省にある世界自然遺産フォン...
 世界自然保護基金(WWF)と関連機関が南中部沿岸地方クアンナム省の山中に設置したカメラが捉えた、絶滅...

新着ニュース一覧

 ファム・ミン・チン首相は5日に開催された第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議の開幕式で、ベトナ...
 ルオン・クオン国家主席はハノイ市の国家主席府で5日、ベトナムを公式訪問中のスリランカのアヌラ・ク...
 国家交通安全委員会によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月30日から5月4日まで...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角...
 ベトナム国家観光局のデータ(速報)によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月30日...
 住友商事株式会社(東京都千代田区)は、同社100%子会社のバンフォン・パワー(Van Phong Power)の出資持...
 西日本鉄道株式会社(福岡県福岡市)は、地場不動産大手のナムロン投資[NLG]
 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2025年4月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は45....
 商工省と複数の省・市における太陽光発電事業を巡る違反事件で、ハノイ市人民裁判所は、ホアン・クオッ...
 国家主席府は4月29日、受刑者8055人と刑執行猶予中の1人の計8056人に対する国家主席の特赦の決定を発表...
 第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が5月5日に開幕した。  今国会では、国家構造に関する201...
 ホーチミン市文化スポーツ局は、4月30日の南部解放記念日にサイゴン川沿いエリアで実施を計画していた...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)事業の一環で行われた軍事パレードを見物する...
 衣料の製造・販売を行う韓国のレシピグループ(Recipe Group)はこのほど、同社が展開するファッションブ...
 ルオン・クオン国家主席は4月28日、北中部地方ハティン省でラオスのトーンルン・シースリット国家主席 ...
トップページに戻る