世界自然保護基金(WWF)と関連機関が南中部沿岸地方クアンナム省の山中に設置したカメラが捉えた、絶滅危惧種の動物であるオオホエジカ(学名:Muntiacus vuquangensis)の成体2頭の写真が公開された。
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写真は2017年11月に撮影されたもの。WWFベトナムとドイツのライプニッツ動物園・野生動物研究所(IZW)および同省の研究によると、今回発見されたオオホエジカのうち1頭はオスで、もう1頭は妊娠中のメスであることが確認された。
オオホエジカは1997年にベトナムとラオスにまたがるチュオンソン山脈で発見されたが、違法狩猟によりその個体数は激減し、2000年以降には3つの森林地域のみで確認され、2016年には絶滅危惧種に登録された。
これを受けて現在では研究チームが個体の保護飼育を視野に入れ、北中部地方トゥアティエン・フエ省やクアンナム省の山中に固定カメラを設置し、その生態を研究観察している。
今回の写真から現在もクアンナム省にオオホエジカが生息していることや、それが生殖可能な成体であることが確認されたことで、今後の繁殖が期待される。