ドンアバンク(東亜銀行=Dong A Bank)における違法融資事件の控訴審でホーチミン市上級人民裁判所は14日、2020年11月の一審判決を支持する判決を下した。
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同事件は、ドンアバンクの元副会長 兼 頭取チャン・フオン・ビン被告(男・63歳)の指導のもと、同行の元幹部が2007年から2013年にかけて、規定に違反してヒエップフーザーTTC(Hiep Phu Gia - TTC)、ドンティエン(Dong Tien)、M&C、タンバンフン(Tan Van Hung)の複数の企業に融資を行い、同行に8兆7510億VND(約444億円)の損失をもたらしたもの。
ビン被告は同事件で、「融資規定に違反した罪」で禁固20年、「職権を乱用し資産を横領した罪」で終身刑を言い渡された。関与したドンアバンクの元幹部やM&Cの従業員など他の被告は執行猶予付き禁固2年~禁固18年の判決だった。民事上の賠償について裁判所は、被告らに対しドンアバンクに賠償金を支払うよう命じた。
これとは別に、ビン被告は2018年12月、同行における別の違反事件でホーチミン市人民裁判所から「経済管理に関する国家規定に意図的に違反し甚大な損害をもたらした罪」で禁固30年、「信頼を悪用し資産を横領した罪」で終身刑を言い渡されている。
同事件ではビン被告の指導のもと、ドンアバンク元幹部らが利息の不正支払いや違法ゴールド輸出、違法外貨販売、ドンアバンクの資産の横領などを行ったとされる。これらの行為は、ドンアバンクに3兆6080億VND(約183億円)の損失をもたらした。
なお、ビン被告は、ジュエリー製造・小売大手フーニュアン・ジュエリー[PNJ](Phu Nhuan Jewelry)のカオ・ティ・ゴック・ズン会長の夫として知られている。