南部メコンデルタ地方アンザン省フータン郡フータイン村(xa Phu Thanh, huyen Phu Tan)に住むグエットさん(53歳)は、築130年を超える住宅で、子供と2人の孫、そして54年あまり変わらぬ状態の男性の遺体とともに暮らしている。
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グエットさんによると、彼女が嫁いできた時から、夫の兄であるその遺体は家にあった。生前に夫の両親が語ってくれたところによると、1968年に夫の兄ハオさんは、原因不明の病との闘いの末、息を引き取った。
我が子が愛おしくて仕方なかった両親が墓を掘り起こしてみると、遺体は少しは蟻に食われていたが、腐敗する様子もなかったため、遺体を家に持ち帰った。周囲の人々が見に来るようになったため父は遺体を棺桶に入れ、蓋をガラス張りにして安置した。その後、遺体は乾燥するだけで、何の処理もしていないにもかかわらず、腐敗は進まなかったという。
アンザン省の医師は、死後に腐敗が進まなかった理由について、食べ物や飲み物のほかに環境要因が考えられるが、例えば身体に水分がもともと少ない状態で、さらに死後、通常よりも遺体の乾燥が早く進んだことなどが考えらえるとしている。