北部紅河デルタ地方フンイエン省警察は22日朝、ハノイ市ザーラム郡の新都市区「ビンホームズ・オーシャンパーク(Vinhomes Ocean Park)」に住む2歳の女児N・H・Tちゃんが身代金目的で誘拐され、その後、遺体で見つかった事件で、家政婦のザップ・ティ・フエン・チャン容疑者(女・27歳)を殺人容疑で起訴することを決めた。
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チャン容疑者は家政婦として、Tちゃんの幼稚園送迎を担当していた。Tちゃん誘拐を企んだ容疑者は19日午後、Tちゃんをバイクに乗せたまま行方をくらまし、Tちゃん家族に15億VND(約920万円)の身代金を要求。
家族は要求に応じて3億5000万VND(約213万円)を送金したが、翌20日午前にハノイ市に隣接するフンイエン省バンザン郡(huyen Van Giang)の養魚池で、Tちゃんの遺体が地元住民によって発見された。
警察は容疑者の行方を追っていたが、21日夜になって、ハノイ市ザーラム郡ドゥオン(Duong)川の下流で女性の遺体を発見。服装などの特徴からチャン容疑者である可能性が高いと見られている。警察は、川で見つかった遺体のDNA鑑定を行うべく、同容疑者の故郷である東北部地方バクザン省にいる母親からDNAを採取するなど身元確認を急いでいる。
なお、警察はその後、DNA検査の結果で、ドゥオン川の下流で見つかった女性の遺体がチャン容疑者のものであると特定した。警察の調べによると、容疑者はTちゃんを誘拐後、バイクでフンイエン省に移動。複数の電話番号で身代金を要求した後、警察の追跡を警戒して携帯電話の電源を切った。逃走中、幼いTちゃんは疲労と寂しさから泣いたと見られ、警察に通報されることを恐れた容疑者がTちゃんを殺害。
容疑者はTちゃん殺害後も家族に身代金の要求を続け、家族は総額5億5000万VND(約333万円)を指定された銀行口座に振り込んだ。その後、容疑者は捜査の手が伸びていることを知り、捕まって極刑となることを恐れて自殺したと見られている。