フランス仕込みのパティシエが焼く「金星紅旗」コレクション

2025/04/19 10:20 JST配信
  • 南部解放・南北統一50周年を記念
  • 自ら作る菓子を通して歴史を語る
  • 国旗や国土をかたどった焼き菓子など

 ホーチミン市の洋菓子店「ル・プチ・ローラン(Le petit Roland)」は、南部解放・南北統一50周年を記念して、特別なスイーツコレクションを発表した。

(C) tuoitre
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 店を経営するグエン・ミン・ヒエンさん(男性)さんは1992年生まれで、2017年にフランスの名門料理・製菓学校「ル・コルドン・ブルー」の製菓コースを首席で卒業した。

 在学中には、学内のロビーに様々な国旗が飾られていたが、ベトナムのものがなかったため「金星紅旗」を掲げて欲しい、と学校に願い出たこともある。「ベトナムの国旗がないのを見て、悲しくなりました。民族の誇りが、私を突き動かしたのです」と彼はその時の心境を語る。

 その精神がまた彼を動かし、来る2025年4月30日に、祖国統一50周年を記念した特別コレクションを製作するというアイデアがひらめいた。

 ヒエンさんは、自ら作る菓子を通して、歴史を語りたいと考えている。若い世代に、今日の平和は先人の血と涙と引きかえにあるものだと伝えたいのだ。

 そんな思いから生まれたコレクションは、ベトナム国旗、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の旗、ベトナムのS字形の国土をかたどった7〜8種類の焼き菓子やチョコレートから成る。国旗の神聖さを守るため、デザインにあたってはホーチミン市文化スポーツ局にも意見を求めた。

 国旗の鮮やかな赤、輝く金星、滑らかなS字の形状は、高品質な食用色素によって表現され、焼いても色褪せることはない。

 しかし、スイスとフランスの名門校で菓子作りを学んだヒエンさんでも、アイデアを実現するまでには様々な困難があった。もともとは2024年の9月2日の建国記念日に合わせて販売を予定していたが、実現しなかった。

 「菓子の構造を長時間保てなかったのです。最高の状態でないものは、出したくありませんでした」とヒエンさん。以降、彼はチームとともにレシピや機材の調整を続け、そして統一50周年の節目に、ようやく完成した。

 この菓子の製造には高度な技術と繊細さが求められるため、大量生産はできない。例えば国旗をあしらった菓子は1日に30〜40個しか作れないため、大量販売ではなく、SNSを通じてメッセージを広める方法を選んだ。

 ヒエンさんは、菓子の一つひとつにメッセージを託す。「ベトナム人である限り、民族の勇ましい歴史を忘れてはなりません。我が国は、国土は小さくとも、いかなる侵略にも怯んだことはありません」。

 4月30日の記念日以降、ヒエンさんは若手職人と協力し、製菓技術を共有する予定だ。そして、9月2日の建国記念日までに、文化や歴史をテーマにした特別な菓子がもっと多く登場することを期待している。

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