- 高齢と健康上の理由により欠席裁判
- 寺に住む「孤児」の多くは被告の実子
- 実の娘2人との間に生まれた子供3人も

南部メコンデルタ地方ロンアン省ドゥックホア郡人民裁判所は21日、同郡ホアカインタイ村(xa Hoa Khanh Tay, huyen Duc Hoa)にあり、寺院を名乗る「宇宙の果ての禅庵(Thien am ben bo vu tru、旧称:ボンライ寺=Tinh that Bong Lai)」をめぐる事件で近親相姦罪に問われていた自称住職のレ・トゥン・バン被告(男・93歳)に禁固3年の判決を下した。
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今回の裁判は、18歳未満の者の保護やプライバシーの尊重、良俗の保持などの理由から非公開で行われた。被告は高齢であることと健康上の理由により、欠席裁判となった。
旧ボンライ寺に住む「孤児」の多くはバン被告の実子で、実の娘2人(いずれも32歳)との間に生まれた子供3人(2014~2015年生まれ)も含まれる。
自身の近親相姦を隠して捜査に対応するため、同被告は2020年12月に妻と息子らと共謀し、子供3人の出生時期に合わせた偽造の「精子売買契約書」を作成した。
捜査の結果、娘2人は子供3人の出産前に人工授精などを受けていなかったことが判明した。捜査機関は、娘2人がバン被告を実父と認識していたことを裏付ける十分な証拠はないと結論づけ、刑事責任は問わないものとした。
なお、旧ボンライ寺で暮らしながら僧侶を名乗っていたバン被告は、2022年に別の事件で「自由および民主を乱用し、国家・組織・個人の合法的な利益を侵害した罪」に問われ、裁判所から禁固5年の判決を言い渡されていた。