「Dom Dom Luciola」、カフェに秘められた想い

2009/05/31 07:53 JST配信

 ホーチミン市3区のファム・ディン・トアイ通りに、カフェ「Dom Dom Luciola」はひっそりとある。ここはインターネットセンターの一つのモデルであり、視覚障害を持ちながらインターネット通信技術を学ぶ人々が集う場所だ。

「Dom Dom Luciola」という名前は、一人のボランティアが考えついた。Luciolaという蛍の種はオスとメスがかなり平等で、メスが生殖機能だけを持ち飛ぶことができない他の蛍の種と異なる。視覚障害者が、夜道を照らす蛍の光のように、平等な社会を、そしてよりよい学習や就業の機会を創りだすことができればと、サオマイ視覚障害者通信技術センターのダン・ホワイ・フック・センター長は、その名前に込められた願いについてこう語る。

 センターはホーチミン児童障害者支援会に所属し、視覚障害者が通信技術の学習を通じ、学校、職場における機会向上を目的に設立された。設立から今日まで、センターの資金は国内外の助成金制度でまかなわれている。しかし最近では、助成金の獲得が厳しくなってきているという現状にぶつかっている。そこで安定した財政基盤を築くため、ボランティアによるカフェを開き、センターの活動に資金を供給することにした。また、センターの活動を広く知ってもらい、視覚障害者たちが音楽活動をしたり、歌手や音楽家と知り合う機会を作りたかったというのもある。毎週金曜日の夜には、視覚障害者自らが演奏する音楽会が開かれるという。

 カフェがオープンして1ヶ月が過ぎた。設計から建設までほぼボランティアの手で行われた。建設のための資金は、ONNETやICEVIなどの海外の視覚障害者支援団体に所属するフック氏の友人たちが出資してくれたという。フック氏個人も出資した。「将来の目標は視覚障害者のための楽譜を作ることです。音楽は他の分野に比べて、コンピューターの助けがあれば視覚障害者でもアクセスしやすいものだから。」フック氏はこう語った。

[Thanh Nien紙電子版 09/05/2009 17:31]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 仁愛・慈善について語り合うオンライン掲示板のメンバーは20日、カントー市ニンキエウ区スアンカイン地...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
トップページに戻る