フーティウ屋台の出稼ぎ夫婦と遠く離れた娘たちの物語

2015/10/04 05:28 JST配信

 ビンさんとゴックさんも、もう何年も買い物などしていない。2人が毎日着ている服も、近所の人がくれた古着だ。子どもたちと離れて暮らす2人の唯一の楽しみは、毎年度末に成績優秀な生徒に贈られる表彰状を子どもたちがもらってくることだ。

(C) tuoitre
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 「もしも母がもっと年老いて亡くなってしまったら、田舎へ帰るべきかホーチミン市で暮らし続けるべきか、どうするかというのが目下の心配事です」。午前2時半をまわり、フーティウの屋台を引いて帰りつつビンさんはそう語った。

 ビンさんの母と子どもたちが暮らすフォークオン村ミーチャン村落は小さな村だが、1000人を超える村の出身者が全国各地でフーティウを売っている。フォークオン村全体で見ると、約3500世帯がフーティウ売りで生計を立てているという。

 ビンさん夫婦の長女フエンさんが8歳になった時に三女ミーさんが生まれたが、両親はやはり子どもを田舎に置いて出稼ぎにホーチミン市へ戻って行った。両親が近くにいないフインさんと次女ミイさんは、幼い妹と腰痛持ちの祖母の面倒を見ることに学校以外の時間を捧げている。

 特にフインさんは、食事の用意から妹たちの勉強の手伝い、洋服の繕い物まで、家のことは何でもやらなくてはならない。「私は姉であると同時に、母親でもあります。両親の代わりに妹たちの面倒を何から何まで見てあげないといけません」とフインさんは言う。

 ミーチャン村には彼女たち同様、両親が出稼ぎに行ってしまいみなしご状態の子どもたちがたくさんいる。しかし近年では、地方都市にもフーティウが浸透してきたため、出稼ぎ先のホーチミン市から田舎に近い場所へ移る人も多い。ビンさん夫婦は、ホーチミン市に残る少数派だが、今後も子どもたちと離れた状況を受け入れながら、フーティウを売り続けていく。

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