国道沿いの自宅に救護所を設置、交通事故のけが人を救って45年の女性

2023/06/11 10:24 JST配信

 1973年に国道5号線沿いに引っ越してから、ダオ・ティ・リエンさん(女性・75歳)は国道で数多くの悲惨な交通事故を目撃した。そして夫と話し合い、自宅の1室を救護所にし、けが人を無料で受け入れることに決めた。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 リエンさんはかつて、北部紅河デルタ地方ハイズオン省キムタイン郡総合病院(現在の郡医療センター)の外科・産科のフィジシャンアシスタント(PA)だった。1973年に夫妻は同省キムタイン郡フックタイン村ズオンタイチュン村落を通る国道5号線沿いの土地を割り当てられ、そこに一軒家を建てた。

 リエンさんによると、この地域は人口が密集し、近くには3つの学校があり、鉄道の線路も通っていた。リエンさんはここで数多くの交通事故を目撃し、応急処置が受けられず命を落とす人々を目にしてきたことから、自ら救護所を設置することを考えついた。

 医師の監督のもとで医療行為を行うPAとしての経験を活かし、リエンさんは自宅の小さな1室を交通事故に遭ってけがをした人に応急処置を施すための救護所にし、自費で医療機器を購入したい、と夫に相談したところ、夫も賛成してくれた。そして1978年初めのある日、リエンさんの救護所が始動した。

 救護所を始めたばかりのころ、リエンさんは自分に関するたくさんの噂話を耳にした。救護所を設置したのは利益を得て収入を増やすためだと言う人や、お金のことを心配し過ぎて気が狂ったんだろうと言う人もいた。「私はただ人を救いたかっただけなので、他人からどう思われようが気にしませんでした」とリエンさん。

 リエンさんは、近くで交通事故に遭った人がいれば駆けつけて救護を行った。軽傷であれば傷口をきれいにして包帯を巻き、重傷の場合は応急処置を施してから郡の病院に搬送した。けが人のために必死で救護に向かうリエンさんの姿は、徐々に地元住民からもなじみのある存在になっていった。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:00 03/05/2023, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 グエン・ホアン・キム・ガンさん(女性)は、姉を交通事故で失った悲しみから、「911交通救助隊」を結成...

新着ニュース一覧

 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
 ベトナム郵便通信グループ(VNPT)は18日、2026年計画実施会議の枠組みの中で、人工知能(AI)専門会社「VN...
 東南部地方ドンナイ省のロンタイン国際空港は19日、初の民間旅客便を受け入れた。同空港が受け入れた初...
 地場系コングロマリットのビングループ[VIC](Vingroup)は12月19日、ハノ
 南北高速道路は19日、北端のフウギ国境ゲート~チーラン間高速道路(約60km)および南端のカントー~カマ...
 株式会社ストライプホールディングス(岡山県岡山市)のグループ会社であるストライプベトナム(STRIPE VI...
 阪急阪神不動産株式会社(大阪府大阪市)と株式会社シーアールイー(東京都港区)は、シンガポール政府系企...
 ピックルボールのプロ選手養成を目指す「D-JOYスポーツアカデミー」が13日にホーチミン市で開校した。...
 日本全国に700店舗以上のホットヨガスタジオ「LAVA」などを運営する株式会社LAVA International(東京都...
 ホーチミン市の路線バスで車掌として働くダン・カム・トゥーさん(女性・30歳)は、クリスマスの雰囲気を...
 南中部地方ラムドン省はこのほど、国内で最も高い灯台として知られる「ケーガー灯台(hai dang Ke Ga)」...
トップページに戻る