熱帯モンスーン気候帯に属し、雨季と乾季を有する。
地理 |
・メコンデルタの中央に位置し、東は南シナ海に面している。 ・自然に恵まれ、山がない平らな地形を持ちながらも多くの川と運河が走っている。 ・市中心部がベトナム最大都市ホーチミン市から西南に160kmのところに位置する。 |
歴史 |
・元々クメール王国に属していたが、キン族の入植で17世紀末から徐々にベトナムによる支配・併合が進んでいった。 ・中国清朝を不服に思い南進した明朝の将軍マック・クー(鄚玖)一族が1680年末から旧キエンザン省と旧カマウ省に当たる地を開拓。その後、絶えずクメール王国の脅威に晒され続け、これに対抗する力を得るため18世紀初めにベトナムのグエン(阮)朝の支援を求めて同王朝の統括地となった。それ以降もマック一族は同王朝の傀儡政権としてこの地を管理し続け、マック・クーの息子マック・ティエン・トゥー(鄚天賜)が1735~1739年にクメール王国から、更に旧ハウザン省と旧バクリエウ省に当たる地を奪った。 ・クメール王国の一部だったため、現在でも多くのクメール人が住んでいる。 |
経済 |
・国内最大のコメ産地である南部メコンデルタ地方最大の都市で、経済の中心地。 ・空港、港湾、工業団地があり、同地方の都市としてトップクラスのインフラを有する。 ・台風の到来が少なく、豊かな土壌を持つため、農業に最適な自然環境を有する。コメや大豆、トウモロコシ、サトウキビ、ネギ、ニンニク、ザボン、ドリアン、マンゴーなどの栽培が盛ん。漁業や風力発電、エコツアーの開発にも適している。 |
観光 |
<見所・イベント>
カイラン水上マーケット(Chợ nổi Cái Răng):
水路が商品運搬のための唯一手段だった時代から続く水上マーケット。ハウザン省のフン・ヒエップ水上マーケット、ティエンザン省のカイ・ベー水上マーケットに並ぶベトナム三大水上マーケットの一つ。毎朝大規模な水上マーケットが開かれ、午前6時から8時ごろにかけてが商いの活発な時間。メコンデルタ地方産の果物をはじめ、農産物から家庭用品、手工芸品、肉、魚介類まで多くの商品を取り扱っている。テレビからバイクまでに至るまで様々な物舟に載せて住み込む住民もいる。 |
フンヒエップ水上マーケット(Chợ nổi Phụng Hiệp、別名ガーバイ水上マーケット):
1915年に始まった歴史のある水上マーケットで、ガーバイ(Ngã Bảy)町にある。カントー市カイラン水上マーケット、ティエンザン省カイベー水上マーケットに並ぶ、「ベトナム三大最大水上マーケット」の一つ。早朝から午前9時頃にかけて大勢の客で賑わう。ドリアンやランブータン、マンゴスチンといった果物をはじめ、農産物、家庭用品、手工芸品、肉、魚介類まで様々な商品を取り扱っており、ヘビ、カメ、リス、トカゲなどの動物も販売している。 |
マートック寺(Chùa Mã Tộc、クメール語:Wathseraytecho Mahatup):
400年以上の歴史を持つ由緒あるクメール建築の仏教寺院。約300万羽のコウモリが生息しているため、「コウモリ寺」とも呼ばれている。ここに生息しているコウモリの殆どは翼幅1~1.2メートルの大きなもので、中には翼幅が1.5メートルのコウモリもいる。
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サーロン寺(Chùa Sà Lôn、クメール語:Wath Sro Loun):
クメール建築の仏教寺院で、壁一面に陶器の欠片が飾られているのが特徴。1815年に建立され、1969年から1980年まで再建工事が行われた。
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ブーソン(寶山)寺(Chùa Bửu Sơn):
阿弥陀仏、弥勒菩薩、観音菩薩や孔子、玉皇大帝(道教の最高神)、老子、故ホー・チ・ミン主席、更には神聖な動物まで、数千体にも上る像が飾られている。境内にはこの他、直径1メートル、高さ2.6メートルの巨大なロウソク、高さ1.5メートルの線香などが飾られている。1928年から1970年までこの地に暮らしていたゴー(Ngô)族により建てられた。
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<特産品>
タット・ラック魚(Cá thác lác):
魚のすり身を団子状にして、油で揚げたり、スープに入れたりして食べる。
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チャオ・ロン・カイ・タック(Cháo lòng Cái Tắc):
メコンデルタ地方に住む庶民の朝食の代表格とでもいうべき料理。よく茹でた豚の内臓とみじん切りのネギをトッピングしたおかゆ。
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バイン・ピア(Bánh pía):
中国蘇州風の中秋月餅
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バイン・コン(Bánh cống):
中に緑豆や豚の脂肪、豚のひき肉が入っているクメール風たこ焼き。上にエビをトッピングする。
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カントー市関連ニュース |
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最終更新日:2025年7月1日
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