熱帯モンスーン気候帯に属し、四季のほか雨季と乾季があって冬は冷え込む。海抜が高く過ごしやすい気候がある。
地理 |
・ベトナム最北端に位置し、中国と国境を接している。 ・省都はハノイ市中心部から北に160km。 ・谷と山を挟んだ山間部にあり、複雑な地形を持つ。 ・雄大な山々があり、原生林面積が大きく貴重な樹木が多く生息し、薬用植物も1000種以上生息している。 |
歴史 |
・かつてはタイ族の首長に治められた地で、13世紀よりベトナムのチャン(陳)朝により支配され、ベトナムの領土になった。 ・同省ソンズオン(Sơn Dương)郡にあるタンチャオ(Tân Trào)史跡では、ベトナム革命の際に多くの重要な出来事が起きた地として知られる。1945年8月には故ホー・チ・ミン主席がインドシナ共産党全国大会を開催し、ベトナム独立の決め手となる八月革命が始まった。 |
経済 |
・森林、鉱物などの天然資源に恵まれており、鉛、銅、水銀、金混合砂といった鉱産物が豊富。採鉱・鉱産物加工や建設資材生産を開発する上での好条件に恵まれているが、インフラ整備が遅れており、経済も未発達の状況にある。 ・主要産業は農業で経済的に貧しく、医療機関と学校が不足している。 ・穀物はコメ、トウモロコシ、ジャガイモ、豆類など、果実は桃、スモモ、梨、リンゴ、柿などの栽培が盛ん。この他、茶葉、シキミ、シナモン、サンシチニンジン(三七人参)などの薬用植物の栽培やミツバチ飼育業も発達している。 |
観光 |
<見所・イベント>
ドンバン石灰岩高原(Cao Nguyên đá Đồng Văn):
海抜約1000~1600メートルの高原で、2010年にユネスコにより、カルスト台地ジオパークとして認定された。ベトナム唯一のグローバルジオパーク。クアンバ(Quản Bạ)郡、イエンミン(Yên Minh)郡、ドンバン(Đồng Văn)郡、メオバック(Mèo Vạc)郡の4郡に跨る。
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ドンバン旧市街(Phố cổ Đồng Văn):
ホイアン旧市街地やハノイ旧市街地と比べて規模は小さいが、山岳地方の少数民族の独特な生活文化を残す独特な旧市街である。家屋の殆どは20世紀初めに建てられたもの。祝祭日になると街が提灯で飾られ、その美しさを増す。
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ブオン族旧家(Dinh họ Vương、別称:ミャオ王官邸):
ドンバン(Đồng Văn)郡サーフィン(Xà Phìn)村にある100 年近く前に建てられたミャオ族の王の旧家。
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カウバイ・ラブ・マーケット(Chợ tình Khâu Vai):
メオバック(Mèo Vạc)郡カウ・バイ(Khâu Vai)村で年に1度行われる「ラブマーケット」。世界の「珍行事」としてロイターに紹介されたことがある。このイベントは毎年、旧暦3月26日と27日の2日間に亘って行われ、参加するのは各少数民族の男女数百人。新しい恋人を見つけるためではなく、かつての恋人と再会し、語り合うための祭り。
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タンチャオ史跡(Chiến khu Tân Trào):
ソンスオン(Sơn Dương)郡にある史跡。タンチャオ神社、ナールア(Nà Lừa)小屋など故ホー・チ・ミン主席をはじめとする革命家たちが拠点として利用していた施設が残されており、国家特別遺産に認定されている。
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ナハン湖(Hồ Na Hang):
原生林がそのまま保存されている森の中の湖。両岸には山や寺院がある。山々が湖面に映った情景は壮観で、若いバックパッカーの間で人気の観光スポットとなっている。
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<特産品>
タン・ゼン(Thắng dền):
中に豆が入ったもち米の団子。ココナッツミルク、砂糖、ショウガで作った汁につけて、上にゴマやピーナッツをかけて食べる。
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乾燥水牛肉(Thịt trâu gác bếp):
放牧の水牛の干し肉を、山椒の一種や唐辛子、ショウガなどのスパイスで味付けしたもの。そのまま食べてもいいが、炭火焼や鍋料理にしてもおいしい。
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コム・ラム(Cơm lam):
竹筒に米(通常もち米)とココナッツ、ゴマや調味料を詰めて焼いた料理。
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薫製肉(Thịt treo gác bếp):
豚や水牛のばら肉、外モモ、肩、ヒレといった部位をマック・ケン(Mắc khén)と呼ばれる山椒の一種や唐辛子、塩、みじん切りのショウガ、カルダモンで味付けし、杵と臼で軽く打った後、山菜で作られた酵母と混ぜて焜炉の上で燻製にしたもの。
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ナハン・トウモロコシ酒(Rượu ngô Na Hang):
トウモロコシを山菜から作った酵母で醗酵させた酒。酒の肴には薫製肉がおすすめ。 |
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最終更新日:2025年7月1日
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