【第5回】ベトナム人の食生活と健康維持法

2015/04/13 19:14 JST配信

ベトナム人の食生活といえば、『なぜベトナム人は痩せているのか』(森由佳子箸 幻灯舎)のような本が出版されているように、「早寝早起き」、「バランスの良い食事」、「少食」など、太りづらい生活習慣が知られるようになってきました。実際のところ、ベトナム人はどのくらい意識して健康的な生活を送っているのか、当社の市場調査サービス「 Q&Me 」で改めて調べてみました。

ベトナム人は食生活で何に気をつけているのか?

まず、食生活で気をつけている点についてですが、上位に来るのは「フルーツや野菜をとる(59%)」、「定期的に食事をとる(48%)」といった習慣です。また、年齢が高い人ほど気をつけている事柄が多いことがわかりました。

ただし、その方法を詳しく聞いてみると、具体的に答えられる人は少ないです。

例えば、「健康によい食事は?」という質問に対する答えは、「野菜」、「フルーツ」、「シリアル」といった大きなくくりであり、野菜などの名称や栄養素名が出てきません。

したがって、 特定の栄養素を意識した食生活をしているというより、あくまでも良いと思われている習慣を繰り返しを行っている と言ってよいと思います。

ベトナム人が産地からイメージするものは?

食品産地国に対するイメージの調査で、「日本」、「アメリカ」といった産地国については、「安心」というイメージを持つ人が多いのことがわかりました(下表)。逆に、「中国産」については不安を感じる人が極めて多くなっています。「台湾産」に安心感を抱く人の割合が高くないのも、同じ中国圏という理由だと考えられます。親日国のベトナムですが、特に「品質」、「安全」といったキーワードと「日本」の結びつきが非常に強いようです。

ベトナム人は、食品成分、効能をどのぐらい知っているのか?

日本では様々な効能をうたった製品やサプリが続々と販売されていますが、それらの知名度はどうでしょうか?

各成分の認知度は、「ビタミン」、「コラーゲン」、「カルシウム」を除くとかなり低くなっています。日本では「コエンザイム」、「ヒアルロン酸」といった成分がテレビや新聞、ウェブサイトなどで繰り返し取り上げられており、日本人は情報の取り込みに熱心であるため、新しい成分や効能に関しての知識をどんどん蓄積していきます。

一方、ベトナムでは新たな情報の流入が限定的であり、且つ、ベトナム人は日本人と比べると新しいものを取り入れるのに慎重なため、新商品や情報が浸透しづらい傾向があります。その結果、商品の付加価値が伝わりにくいのが現状です。

ベトナム人の食生活に関する情報源は、 「ウェブ・Facebook」、「知人・家族」 の二つが最も大きなものです。一方で「知人・家族」からの口コミの影響が強すぎて、古くからの伝統習慣を守り続け、新たな試みに消極的になりがちです。

この点が、新しい商品や情報が流通しづらいベトナム市場の特徴のひとつだと常々感じています。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 中国発のぬいぐるみ「ベイビー・スリー(Baby Three=娃三歳)」が、ホーチミン市の若者の間でブームにな...
 デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ(Agoda)」を運営するアゴダ・カンパニー(Agoda Company、シンガ...
 南中部沿岸地方ダナン市観光局は、2024年12月14日(土)から2025年1月2日(木)にかけて「クリスマス&ニュ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
トップページに戻る